冬の森の中に入ると 何もかもが呼吸をやめて まるで時間が静止したかのようだ。 しかし、その静寂を破るものは 小鳥の声と、微かな風と、落雪と そして、たゆまぬ水の生動だろう。 多雪地帯では、積雪の底近くでは 絶えず雪は解けて水に変わり それが川を満たすのだという。 冬の森深くに入りて、水の流れを見る。 冬の森に一人いて、鳴りやまぬ水の音を聴く。