館 カレンダー『北国の小さな物語』作品全集
★2002年 5月
『春の遊楽部岳』

函館から東に60kmのところに八雲町という街がある。
八雲というのは1週間に8回曇るというところから来た名前だ。
そのせいか、八雲は畑作は少なく、酪農が盛んな街である。
遊楽部岳流域には、遊楽部川が流れる。
サケが回帰する川としてよく知られている。
遊楽部岳は奥深い山で
その山麓は、美しいブナやカエデに覆われる
「ヒグマの巣」のようなところだ。
久しぶりに気持ちのいい春の日光を浴びながら
ヒグマも人も、河畔の柳の木までもが
生きる喜びの中で輝いている。