館 カレンダー『北国の小さな物語』作品全集
★2002年 8月
『夏の夜空に舞う』

夢にまで見て
この日が来るのを待った。
雨が上がり、待望の晴れ間が広がる。
大雪山上空の夜空は、申し分なく黒く透明だ。
白鳥座は入り乱れた銀河に身をひたし
大空の雄大な時の流れの中を飛翔する。
そして、銀河の流れは伝説のごとく
織姫と彦星の間を分かつように雄大な流れとなり
南に控える射手座の星を飲み込み、膨らみを増す。
ぼくはこの一枚に、全精力を傾けた。
どうか、心ゆくまでこの一枚を観照して下さい。