初秋になると、あちこちで野ぶどうを見かけるようになる。 初秋の森は生気を失い、枯れた色彩に覆われるが その中にあって、野ぶどうのカラフルな色彩を見つけると ハッとして、嬉しくなる。 例えそれが食べられないものであってもかまわない。 色づいた野ぶどうの色彩に喜び、うっとりとして 心が満たされる……。 それだけで十分である。