この作品を撮影してから、十年の歳月が流れた。 北のこの地の開拓に夢をかけ 北の大地で農を営むために移り住んだ老夫の影。 想像を超える冬の寒さがありしも 粗末な家しか造ることができず 想像を超える夏の冷たさに 絶望した彼を思うて涙する。 ただ、その救いはたちのぼる炊事の煙。 朝の団らんの煙に心憩わせる二人を想う。