ここは北海道道南、戸切地川中流に広がる豊かな河畔林の林床。 早春、春の妖精たちが落ち葉を突き破って、地上に姿を現し始める。 お日様の光は彼らの命の再生をほめたたえ 日増しに大地は命の気配で満ちあふれる。 だが、早春の夜闇は冷淡にも容赦なく彼らの小さな体に襲いかかり 夜闇の隅で小さな体をふるわせながら、じっと耐える小さな命 。 ああ、せめて一瞬、この地上を飾る花一輪になれるなら 生まれて来て良かったと思えます。