館 カレンダー『北国の小さな物語』
★1999年 3月★
『星空のかなたへ』

深き冬の夜に
ぼくはただ一人、銀河の動きをじっと見つめている。
そんなときいつも思うことは
この自分の立つ大地のめまぐるしい回転と
かなたの銀河の描く無限時間の回転とのアンバランスのことだ。
今ぼくは有限の時間に支配されている。
しかし、今ぼくが見つめているものは、無限の時の流れだ。
ぼくの夢は、いつかあの無限の時の流れの中を旅ゆくことなのだ。

[おはぎとぼた餅]
おはぎとぼた餅は、別のものかと思っていたら、そうじゃなくて、同じものらしい。春の彼岸の頃はぼたんの花の頃だから「ぼた餅」、秋の彼岸の頃は萩(はぎ)の花の頃だから「おはぎ」と呼び名を変える。和菓子の奥ゆかしい文化から来ているそうだ。ただ、このカレンダーの3月には、深い雪原のかなたにのぼる大銀河の写真が選ばれており、これもまた3月の彼岸頃が見せる真実の風景である。