館 カレンダー『北国の小さな物語』
★2000年 11
『秋の贈り物』

 秋の森の中をお散歩しているとわくわくしてくる。
いろんな色や形をした落ち葉や,きのこ,木の実たちとの
出会いのことを想うとたまらなくなる。
森の宝石探しに出かけましょう。
キノコなどは倒れた木の影にひっそりと息をひそめていますよ。
木の実はなんだか造りもののようにつやつや輝いています。
今日はクリの実と出会えました。
ある湖のほとりの静かな森の中です。
少し薄暗かったけれど
ふたつの実が寄り添ってなんだかとってもかわいかった。

【クリの木・Chestnut tree】
北海道ではクリの木の北限は小樽近郊にあるといいます。小樽市手宮公園にはクリの自然林が残されていますが,これより北へ行くとクリの木はその数をめっきりと減らしてしまいます。クリだけではなく,トチノキやサワグルミなども見られなくなり,この小樽や札幌のある,石狩低地帯には木たちにとってなぜか越えられない壁があるらしいのです。
 クリの木というと大変腐りにくい木であるため,鉄道の枕木に多量に使われてしまい,いつのころからか便利の裏返しとして,ぼくたちの生活から遠ざかってしまったと聞いています。複雑な想いがしますね。
大きなクリの木の下で……♪♪そんなところがきっとどこかにあるはずです。そんな心をくすぐってくれるようなところを求めて旅ゆきたいと想います。