館 カレンダー『北国の小さな物語』
★2001年 12月
『雪夜の栗の木』

 ここは函館の郊外の修道院。
修道院の丘のうえにはいつの頃からか
一本の栗の木がある。
今では栗の木もすっかり葉を落とし、
深い深い雪に閉ざされて眠りについている。
明かりといえば
二人の雪だるまが灯すランプの灯と
たゆたゆと降る雪の明かりだけがかすかに灯っている。
この神聖な世界が
ただ愛と静寂だけで満たされていた
おぼろげな冬の宵のことである。

【クリスマス・ロ−ズの伝説】
『クリスマス・ロ−ズの伝説』はセルラ=ラ−ゲルレブというスウエ−デンの女性作家の作品で、北欧の代表的なクリスマスの物語として多くの人に親しまれているものです。ヨ−インゲの森の奥にはドロボウの一家が住んでいて、そのおかみさんから修道院の院長のハンス様がヨ−インゲの森ではクリスマス・イブの夜には冬の森が美しい花園に変わるという話しを聞く……そしてドロボウの罪を許してもらうために、大司教にその冬の花園から花を一輪もって帰るという約束をする……、その花がクリスマス・ロ−ズという花で、クリスマスの頃、白く清らかな花を咲かせるのです。