館 カレンダー『北国の小さな物語』
★2001年 7月
『夏の丘』

 さわやかな風が吹きそよぐ丘
じゃがいもの花があふれ咲く。
麦の穂は少しだけ黄色く色づき始め
丘のうえを透き通るような白い雲がわたっていく。
日差しは力強く
遠くの丘は波打ち揺れて金に、銀にと輝き、
入道雲の湧く地平へと続いていく。
丘の頂上には一本のモミの木。
彼の木の下でしばし休もう
彼のつくっている優しい木陰の下で。

【火星とアンタレスの接近】
アンタレスというのはさそり座の一等星でサソリの心臓にあたるところで不気味に赤く輝いている星ですが、アンタレスという名はアンチ・タ−レス、つまり「火星の敵」という意味からきています。この夏の南の空で、火星とアンタレスの赤く不気味な対決が起こるというわけです。実は2月の明け方にもこの対決は起こっていたのですが、この7月には逆行してきた火星が比較的長くさそり座にいますので、この対決を見るには絶好の機会だというわけです。この火星とアンタレスの対決もなかなか珍しいことで、日本からだと15年に一度訪れる対決の夏になるのです。