館 カレンダー『北国の小さな物語』
★2002年 5月
『春の遊楽部岳』

函館から東に60kmのところに八雲町という街がある。
八雲というのは1週間に8回曇るというところから来た名前だ。
そのせいか、八雲は畑作は少なく、酪農が盛んな街である。
遊楽部岳流域には、遊楽部川が流れる。
サケが回帰する川としてよく知られている。
遊楽部岳は奥深い山で
その山麓は、美しいブナやカエデに覆われる
「ヒグマの巣」のようなところだ。
久しぶりに気持ちのいい春の日光を浴びながら
ヒグマも人も、河畔の柳の木までもが
生きる喜びの中で輝いている。

【たんぽぽ】
たんぽぽには西洋たんぽぽなどの外来種と在来種の日本たんぽぽがあります。それが最近、在来種は極端に減り、外来種ばかりが目立つようになりました。特に北海道では在来種のエゾタンポポを見ることはごく稀になり、北海道の平地で見られるたんぽぽはほとんどが外来種なのです。
 在来種は自家不親和性で、自分の花粉で子孫を残せず、別のたんぽぽの花粉がいります。しかし、外来種は花粉のいらないものまであって、たとえ一本からでも子孫を残せるのです。つまり、子供たちは皆お母さんたんぽぽのコピ−なのです。お母さんと同じ顔をした無数の子供たちができるのを想像してみて下さい。このことから外来種のたんぽぽは「父親のいない植物」とも言われます。
 在来種と外来種の区別は下の絵のように外総庖片を見て、そっくり返っているのが外来種でそっくり返っていないのが在来種のたんぽぽです。