館 カレンダー『北国の小さな物語』
★2002年 9月
『秋風涼し』

すすきの穂が出る頃
秋風が吹き始め、空は高くなり、
夜の草むらでは秋の虫たちが鳴き始める。
8月の夜空をあれほど大きく飾った
白鳥座はそのくちばしを地平線の下に沈め
代わって、カシオペア、アンドロメダ、ペガサスといった
秋の星座が夜空を飾るようになる。
夜の時間も長くなり、遅い朝は
冷え冷えと張りつめた空気に支配される。
そんな朝の気配の中、すすきのひとむらに心ひかれる。
たなびく朝霧が日の光に浮かぶ
秋の清澄な朝の訪れを満喫する。

【スモモ】
2001年の大雪山撮影で疲れ切っていた時。ぼくは温泉に入り、ソルダムという品種のスモモを食べて息を吹き返しました。丘のうえの小さな写真館の庭にもビュ−ティ−という品種のスモモがあって8月の中旬頃になると黄色から赤に色づきます。
 日本のスモモはアメリカで高く評価され、有名な育種家バ−バンクによって品種改良されていきます。彼は百万本以上の掛け合わせの中から、百余りの品種を創ります。その中で、現在に残るのが丘のうえの小さな写真館の庭にもある「ビュ−ティ−」や「フォ−モサ」「サンタロ−ザ」などです。スモモは無農薬、無肥料で育てやすく、色着いた果実と木の葉のコントラストは本当に美しいものです。