●Mamiya M6451000s
●M6451000sとの出会い
ぼくが、確固たる写真の技術に自信が持てるようになったのには、このカメラとの出会いによるところが大きい。
今から、15年ほど前、初めて函館のカメラ店の中古コーナーの片隅でこのカメラと出会った。
旧型の55mm,80mm,300mmのレンズがついて10万円もした。
当時の僕には、10万円といえば、そう簡単には買うことができず、父に相談することにした。すると、父は快く引き受けてくれて、このカメラを買うことができたのである。
 最初は使い方もわからないまま、あちこちに持って行ったが、ペンタプリズムを通さないで見る、すっきりとした見え方にすっかり惚れて、それ以来、ずっとこのスタイルでやっている。
欠点はというと、自然の中でこのように上から見るスタイルでやると、ハイアングルが撮れず、困ることが多いことだ。それで、何度となくこのスタイルを見直そうと試みたが、どうしても、否定できないでいる。
 どうしても、ペンタプリズムを通してみると、目で見るものと違って見えてしまうのである。写真の場合、ファインダーを通して見た時の感動が何より大切で、この感動を大事にしたいと思うと、やはりぼくはこのスタイルになってしまう。
 とにかく、このカメラと出会ってから、僕の写真家業が始まった。父があの時、買うことを引き受けてくれていなかったら、今のぼくはなかった。
お金をためているうちに、誰か他の人に買われていって、僕はきっと路頭に迷っていたに違いない。そう思うと、ほっと胸をなで下ろす。
●交換レンズ群
マミヤM645のレンズは旧タイプから新タイプにかわって、生まれ変わった。旧タイプのレンズ群がのきなみカラーバランスの狂ったレンズ群だったのに対して、新タイプのレンズ群はほぼ信用できるようになった。この旧と新はどこで区別するかと言うと、ヘリコイドのゴムを見れば一目瞭然となる。悪いことは言わないから、よほどの事がない限り、旧タイプのレンズは避けた方がいい。以下に、僕の使用する、交換レンズ群の一覧をのせます。参考にして下さい。
◆SEKOR 35mm F3.5N
◆SEKOR 45mm F2.8N
◆SEKOR 55-110mm F4.5N
◆SEKOR A150mm F2.8
◆SEKOR A200mm F2.8 APO
◆SEKOR 300mm F5.6N ULD
◆SEKOR 24mm F4 N ULD fish-eye
◆SEKOR 55mm F2.8N
◆SEKOR 80mm F1.9c
◆SEKOR 80mm f4N マクロ
◆SEKOR A120mm F4 マクロ
以上、通常左の6本が主体で、特殊な場合に右の5本を使います。これでも、合計11本にもなります。
全体的には、中判レンズの中では、明るく比較的軽量なものが揃っています。 
次に、特筆できるレンズは150mm F2.8のレンズです。M645には同じ150mmに、F3.5のレンズも用意されていますが、同じなのは焦点距離だけで、全く別物のレンズだと言えます。F2.8とF3.5。半絞りしか違わないじゃないか!と言われますが、レンズの性能が明るさだけではないことがよくわかります。
あとは、80mmのマクロがあることも、特筆できます。しかも、このレンズの柔らかな描写は見事です。全紙に伸ばせば、その能力がよくわかります。印刷でも、たまにわかることがあります。
●マミヤM6451000Sの良いところ
◆まずは、ミラーアップが何度でも、やりなおせます。ペンタックス67や645、ハッセルブラッドのように一度ミラーを上げたら、写すまで戻って来ないようなおかしな機構になっていません。

◆シャッターが上からと前からの二ケ所ついている。三脚につけた時など上からのシャッターの有り難さを実感できる。そのため、レリーズを使って写す必要はほとんどない。

◆あと、B(バルブ)以外にTとして使える機構がある。このことにより、レリーズなしで長時間露出ができる。

◆シャッター解除ボタンを使えば、電池がなくとも、シャッターを切ることができる。ということは、最終的に電池がなくても、1秒以上の露出には対応できる。

◆また、その解除ボタンのおかげで、寒さには最も強いカメラとも言える。これは、ブローニーフィルムを使用することとも関係している。ブローニーフィルムは、35mmフィルムのように寒さでパリン!と折れたりしない。

◆フィルムホルダーを取り外して、フィルムを装填するので、ペンタックス67やハッセルブラッドのようにフィルム交換で苦労しない。

●マミヤM6451000Sの欠点。
■プリズムファインダーが暗く、精度も悪いので、実用にならない。

■古くなっているので、低速シャッターが極端に遅くなっているものが多い。

■M645からM6451000sに変わり、シャッターダイアルに変なロック機構がついて、シャッターダイアルが回しにくくなった。

■全面マットスクリーンが手に入らなくなった。

■レンズとの連動ピンの強度がない。

■レンズマウント、カメラマウント部の加工精度が悪く、また全体に強度がなくて、よほど丁寧に使わないと長もちがしない。ニコンなどを使っている人には想像を絶するだろう。

以上、マミヤM6451000sについて、書いてみました。ぼくはこのカメラ一筋で使って来て、今のM645で8台目になってしまいました。いくら安いカメラとはいえ、当時はまだまだお金もなく、妻にも苦しい思いをさせました。ぼくは、普通よりは物を大切にする方なのですが、それでも、マミヤはコタコタになっていきました。それで、妻はあなたには、ボロのマミヤが似合っている!と言われるようになります。しかし、長いこと、ぼくはマミヤの望遠レンズの弱さのうえで、ハッセルブラッドやペンタックスにコンプレックスを抱いていました。しかし、150mmを2.8にしたり、200mmにアポクロマートのレンズを導入したりして、マミヤの撮影上の弱点を克服していきました。妻には、この時もかなり無理をかけましたが、どうしても、レンズの悪さを腕で補えないのです。(しなくていい、苦労をします。)
しかし、最大の弱点は、全面マットのファンダースクリーンが手に入らないことです。風景の場合、どうしても、全面マットスクリーンは必要なので、残り数枚持っている全面マットは命にかえても守らないといけません。(6451000sの場合、方眼マットスクリーンは方眼線が太すぎて、見にくいものです。)
以上で、マミヤM645の解説を終えますが、何かご質問がありましたら、E-mailでも下さればお答えできるかもしれません。