館の四季 春満開 Spring-2
● 春 満開 Spring-3
花は自分の寿命がもう終わろうとすることを知ると、子孫を残そうとしてたくさんの花を咲かせるという。この桜も自分の命がこの先ないことを知っているかのように見事に花を咲かせるのである。
八重桜は品種改良を受け、艶やかに世界を彩る使命を受けて、この世に誕生した。しかし、そうした無理は木にとって過酷な試練であり、結果、その寿命を縮めることになった。
そんな八重桜が満開の花をつけるたびに「僕はあまり無理をするなよ!」と一声かけるのがいつもの年の習わしとなった。
リラの花と八重桜の競演である。このリラは僕がここに丘のうえの小さな写真館を設立した年に、ホームセンターで棒きれのようなリラの苗木を買って来たのが始まりである。
その後彼女はゆっくりと大きくなって、隔年で普通程度の量の花をつける。彼女はあまり無理をしない木であるが、その姿は端正である。
花であふれる丘のうえの小さな写真館の春である。春のこの時期、このあたりで一番美しく輝くのは恐らく丘のうえの小さな写真館の庭であろう。
春の風を感じる。かつての看板はある年の台風で折れてしまったので、この看板は2本目と言うことになる。ぶら下がり方式に変えたので、どんなに強い風を受けても、ふらりふらりとかわすために、折れることはなくなった。
八重桜散りゆく季節。2004年5月25日撮影。散りゆく頃、丘のうえの小さな写真館の前の道は桜の花びらでピンク一色に塗り替えられる。
こうして、桜も散ると、北海道は初夏の6月をむかえる。