撮影機材 ニコン・ Nikon FE2
●ニコン Nikon FE2
ずっと愛用してきたニコンFE2。バブル時代にプレミアムがついて値段が高騰したが、今はすっかり落ち着いている。中古で買ったが、店にあった5台のFE2の中で一番自分に合うシャッター感覚のボデーを選べた。
ニコンのマニュアルカメラの場合、微妙にシャッター感覚が違い、この微妙なシャッターの押し加減やシャッターを切った後の残響音が個体によって違う。些細なことかもしれないが、長く使っていると、このことがとても大事になってくると僕は信じている。
露出計やシャッター速度の正確さ、バヨネットマウントの精巧さと頑丈さなど、どんなに酷使しても故障の気配や精度が落ちるなどの気配が全くない。ニコンのカメラが世界中のカメラを駆逐したのもこのカメラを見ているとうなずけてしまう。
●ニコン Nikon FE2のフィンダー
ニコンFE2を優れたものにしている理由に、露出計の表示がある。シャッター速度と絞りを変えて、上の写真左側の緑と黒の針を重ねてやれば、それが適正露出になって写真が撮れる。
この針式アナログ露出計の優れた点は、適正露出の前後を幅広く一目で見渡せるところにある。
また、露出計の文字列を下に読んでいくと、赤文字に代わり、1、2,4,8とある。これはシャッター速度が8秒までマニュアルで使えることを示している。
マミヤM645などはこの低速シャッターが狂うことが多いが、ニコンの低速シャッターはほとんど狂わない。
また、こうした低速シャッターのあるおかげで、低輝度、すなわち暗いところでも露出計が作動することを意味し、FE2の魅力を更に高めている。例えば、月明かりの雪原の明るさが測れるか?微妙なところであるが、工夫すれば、見事に露出の目安になってくれる。
また、こうした暗いところに強いのは、ニコンFE2の測光部の組み込まれた位置にもよる。FE2の露出計はペンタプリズム内部にあるために、レンズから入ってきた光の全部を露出計に導けるのである。

 その他、FE2にはFM3Aのスクリーンを使用しても、補正せずに露出計がそのまま使えるというメリットがある。従来のスクリーンよりもFM3Aのスクリーンは明るいので、よりクリアーな画面を見ながら撮影できるメリットは計り知れない。まるで世界が光り輝いて見える!これはハッセルのアキュートマットスクリーンにも通じることである。
僕の心の中に、いつの頃からか自分が理想とする世界へ自分の愛するカメラと共に行き、その世界に向かって輝かしいファインダーを通して世界を飽きるまで見ることが僕の夢になっている。
ある人は、これに対し「何もファインダーで見ないでも、人間の目で見れば良いではないのか?」と言うかもしれない。
しかし、人間の目の画角である47°でしか見えない世界は限られていると信じている。注意深く風景を観察していくと、風景はそこにふさわしい広さとして存在していることに気がつく。
だからこれを全部同じ画角で見るよりも、僕は優秀な広角レンズや望遠レンズを通して風景を見つめたいと思っている。
こうした行為は、写真を撮る行為ではなくて、倍率の低い双眼鏡などで風景を観察する行為に似ていると思う。そして、そこにある風景にふさわしい倍率で風景を眺める。そして、その風景が明るく切れの良いスクリーンに投影された像に感動し、酔いしれて、最後にシャッターを切る。
こうした理由から、僕には明るく切れの良いスクリーンがどうしても必要なのである。

FE2のシャッター。ハニカム構造で軽量化され、シンクロ速度が1/250、最高速度1/4000を実現した。
ただ、一度も僕はその恩恵を役立てたことはない。技術者の方の努力を無にしているみたいで、すまないなあ〜といつも思う。