撮影機材
マクロエルマリートR60mmf2.8
ライカR7とマクロエルマリートR60mm ROMカム

外観からはとても予想もつきませんが、
このレンズの描写は本当に申し分ありません。
上の写真のようにライカR7と撮ってみれば、
至って普通の雰囲気になりますので、予想もつきませんね。

しかし、実際に撮ってみますと、本当にバランス良く写ります。
シャープさと解像感とコントラストのなんとちょうど良いバランスでしょう。

丘のうえの小さな写真館のマクロエルマリートR60mmは
LEICA時代のROMカムのマクロエルマリートR60mmで、
カラーバランスとしては、ちょっと青味がかります。

もう一本妻も使っていますが、
そちらもLEICA時代のマクロエルマリートR60mmで、
こちらも青みがかる発色をします。

彼女はできるならバランスが黄色に偏ったレンズが好きなので
いつかは交換したいと未だに言っています。
マクロエルマリートR60mm のカラー作例 1
8N-6)『枝垂れ桜叙情』

まずマクロエルマリートR60mmの作例と言われたら
何をおいてもこの写真を持ってくるべきでしょう。

この写真は奈良県室生村の最奥に咲く枝垂れ桜ですが、
僕はこの桜をこのマクロエルマリートR60mmで撮りました。

僕はR9にマクロエルマリートR60mmを装着した時の重量感覚が好きで、
このレンズを装着して写すときは、普段よりもずっと気持ちがよいものです。

そういうわけで、気持ちよくこの枝垂れ桜を撮っていたわけですが、
このフィルムができてきて、それを印刷に回し、
初めて色校正を見たときには、びっくりしました。

面付けされた他のどのポストカードよりもパキンとしていて
はっきりくっきりとしていたのです。

僕はこの後、このことをずっと考えていましたが、
ポストカードの大きさだと、中判で撮るよりも
ライカで撮った方がずっときちんと仕上がるのではないか、ということでした。

以前だと、中判でないと
ポストカード一つ満足に製版できませんでしたが、
今のようにコンピューターが進歩した時代には
ポストカードの大きさであれば、無理して中判カメラを使って撮るよりも
むしろ、イメージサークルを小さくしてその狭い範囲で絶妙の収差補正を施した
ライカレンズで撮る方が美しくなると思っています。
マクロエルマリートR60mm のカラー作例 2
この写真もできてきて、タイトボックスの上でフィルムを見てから
フィルムスキャナで取り込みそれを画面で見たときにも
驚愕しました。

特に左手前の木のぼけ加減に注目なのですが、
これを中判カメラで撮ろうとすると
決まって、絞りをF16近くまで絞らなければならなくなります。

それで、F16まで絞ると、
たいていは回折によって、木の輪郭がぼけた感じになります。

僕は色収差によるボケも嫌いですが、
この回折によるぼけ加減もとても嫌いなので、
いつも被写界深度ギリギリの絞り込みを目指します。

しかし、小型カメラでは中判に比べて
2絞りほど絞り込む量が少なくてすみますので、
この写真では絞りはF8で、絞り値としてはベストなのでしょう。

こうしてマクロエルマリートR60mmで撮ったフィルム
その中の、木のぼけ加減はどうだったでしょうか。

よく見てみると、木の輪郭はその輪郭が白くぼやっとするようなことは全くなく

そんなことよりも、樹木の幹がまろやかで、
伸ばしても、どこまでもどこまでもそのまろやかな質感を失わないのです。

これには正直驚いてしまい、
中判でなくても風景は撮れるという確信を強め
更にライカのマクロエルマリートR60mmなどを用いれば
より優れた結果が生まれるという自信までも持つことができました。