旅のテクニック
1.湯を沸かすこと
 丘のうえの小さな写真館は車で全国を旅をして、美しい風景を撮影して回ります。
 そうすると、どうしても長期の撮影の旅になることが多く、その撮影の旅を長期に渡って続ける秘訣のようなものがありますので、そのことをお伝えすべく、ここにそのコーナーを設けました。
 ただ、あくまで撮影主体の旅を支える野外生活のノウハウと思って下さり、これを参考に自分流にアレンジして下さい。

 まず初めに、長期の撮影の旅の成功の秘訣は、何と言っても食べ物であり、外食や店屋物を食べていたら、いつしか精神力は萎え衰えてしまいます。従って、面倒でも、質素でも自分たちで食事を作り、それを基本にスーパーなどを利用するのが良いように思っています。

 従って、その基本になるのが「湯を沸かす」ことが基本であり、そのためにはガソリンコンロやガスコンロを使えるようになることが大事です。

湯を沸かすことが基本
 丘のうえの小さな写真館流の野外生活の基本はまず湯を沸かすことです。まず朝に一日のうちに飲む分の湯を沸かし、それをポットに蓄えます。そして夜には夕飯のための湯をわかします。
 その道具はガソリンコンロとガスコンロの併用です。
弱火にも強火にも強いガスコンロセット
日本中どこででも入手でき
燃料代の安いガソリンコンロセット
 まずガソリンコンロ(写真左上)はホワイトガソリン専用品とレギュラーガソリンが使えるものとがあり、もちろん有効なのはレギュラーガソリンが使えるものです。その理由は、日本中どんなに田舎に行ってもあるのがガソリンスタンドだからで、日本国内であれば、まずガソリンの入手に困ることはありません。
 ただ、このガソリンコンロにはガソリンスタンドで手に入るレギュラーガソリン用の物は少なく、たいていはホワイトガソリン専用のものがほとんどですので、必死になってレギュラーガソリンが使える物を探します。
 レギュラーガソリンが使える物には、「Dual fuel」などと2種類のガソリン、すなわちホワイトガソリンとレギュラーガソリンが使えることが明示されておりますのでそれを目安にします。しかし、ホワイトガソリン専用品でも、レギュラーガソリンが使える物もあるので、不思議です。
 レギュラーガソリンは日本中どこででも入手できると同時に燃料としては格段の安さで、ほとんど費用のことは考えなくてもすむほどです。またレギュラーガソリンは、セルフサービスのガソリンスタンドではなく、フルサービスのスタンドで、右のガソリン専用ボトルにいれてもらいます。
 またこのガソリンコンロはアメリカのコールマン製のものがほとんどで、アメリカ製ゆえの貧弱な造りですが、それには我慢します。
 また、火力はかなり力強いのですが、弱火がしにくいものもあり、そのためにガスコンロを併用するのです。
 ガスコンロは弱火に強いので、弱火を必要とするご飯を炊くときなどに特に有効です。
 しかし、ガスコンロ用のボンベは(上右写真参照)大中小とありますが、ガソリンに比べ高価なので、適材適所に用います。

 また、ガスコンロの大のボンベは背が高くなるので、割安にはなっていますが、転倒などのリスクがありますのでご注意下さい。
※ただ、ガスコンロ用の「安定台」というものが市販されておりますので、これを利用しますと、ガスコンロ本体の転倒は防ぐことができます。ご参照下さい。

 ガソリン専用ボトル。高価なものですが、アウトドアや山用品のお店で売っています。

 実は色々と種類があって迷うと思いますが、上の赤いボトルが一番使いやすいです。右のスノーピークのボトルは使いにくいです。
 小さなことですが、意外にこのボトルの使いやすさは大事なことです。
 もし使いやすいボトルが手に入ったら、買うときには高いですが、後々すぐに元が取れます。

 ガソリンコンロとガスコンロの次に大事なのが、広口のステンレス製のポットです。朝に湧かした湯をこのポットに蓄えておくと、ほぼ一日分のお茶やコーヒーに利用でき、夕方までほとんど冷めることはありません。
 ポットを選ぶ場合には、広口を選ぶことがポイントで、湯を入れやすく、掃除もしやすという利点があります。
 沸騰するお湯。
野外での水はどんな清水でもこうして煮沸し、冷まして飲むのが一番良い。特に北海道の場合には、エキノコックスの危険性があるので生水は厳禁である。
 こうしたことからも、ガソリンコンロやガスコンロは旅の必需品であることがわかる。
 朝、沸かしたお湯をポットに注いでいるところ。ポットの口が広いとこうして沸かしたお湯が入れやすいし、掃除の時にも手が中まで届いて大変便利である。/八甲田山にて