館 星空への想い
星空への第一歩No.3
望遠鏡を使って星空を観望する
 先にも再三言ってきたように、望遠鏡を使って星空を見る魅力は、肉眼では見えない星空の中に隠れ秘める何かを見ていくことである。
 そのために、望遠鏡を使うのだが、この章ではその望遠鏡の基本だけを解説する。
7.6cm屈折望遠鏡-
10cm反射望遠鏡 -を使う望遠鏡-
望遠鏡には屈折望遠鏡と反射望遠鏡とがある。
 上の写真を見ていただければよいのだが、望遠鏡には左の屈折望遠鏡と右の反射望遠鏡とがある。このどちらを使うのかは好みの問題となり、人によって好みが別れるところである。
 ある時、僕が「反射がいい」とある人に言ったら、その人は「いや屈折の方がいい」と言って聞かない。ついには、表に出ろ!とえらいけんまくで怒られたことさえあるほどだ。
 今となっては懐かしい思い出なのだが、こうしたケンカにもなりかねないほど、屈折望遠鏡と反射望遠鏡とは甲乙つけがたい魅力・欠点のどちらも内在している。
では望遠鏡を選ぶときには何に注意しようか
 まず、望遠鏡を選ぶ際に一番重要なことは、望遠鏡の性能は倍率ではあらわさないことを知っておくことだ。

ではいったい望遠鏡の性能の基本で判断基準は何か?

■それはレンズあるいは鏡の口径、すなわち直径である。
望遠鏡の性能はその口径で表して、
たいていの場合 例]10cm反射望遠鏡とか8cm屈折望遠鏡と言い表す。

 そして理論的にはこの口径が大きいほど性能が良いことになっている。

 だから、まず望遠鏡を選ぶときには口径の大きな望遠鏡を選ぶことが基本となる。

 屈折望遠鏡を前からのぞくと、上の写真のように前部にレンズが入っていることがわかる。
 このレンズの直径が理論的な性能を示す判断基準となる。
ちなみに上のレンズは76mmある。このことはレンズの縁に書かれたD=76mmという表示を見るとわかる。
望遠鏡の口径の基準
 望遠鏡の理論的な性能がその口径で表されることはわかった。ではその口径とは何cmくらいが基準となるのであろうか。
この基準となる口径の大きさは、

   屈折望遠鏡の場合5cm〜12cmくらい。
   反射の場合には10cm〜20cmくらいである。

屈折と反射ではだいたいこのくらいの大きさの望遠鏡が一般的に手に入り安く、値段も同じくらいになる。

しかし、この数字の示す範囲をよく見てみると、同じ値段なら反射の方が口径が大きいものが手に入ることがわかる。

これは、反射望遠鏡は一枚の鏡を使うだけなので、屈折に比べて口径の大きなものが安く造れるからだ。
すなわち、屈折望遠鏡には複数枚のレンズを使うために、そのレンズを作るのにコストがかかり、また大きなレンズを造るのは大変お金のかかることになるから、口径が大きな望遠鏡を安くほしい場合には、反射望遠鏡を買うのがよい。

 

 反射望遠鏡を前から見たところ。
ご覧のように筒の底の方に一枚の鏡が見える。この鏡一枚が目には見えない秘やかな宇宙を垣間見せてくれる。
 しかも、その鏡は屈折のレンズ製造に比べて、比較的簡単であるので、大きな直径の鏡が安く手に入れられるメリットがある。
屈折望遠鏡・反射望遠鏡のメリットデメリット。
 上で、反射の方が同じ口径なら安く買えるし、同じお金を払うなら反射の方がより大きな口径の望遠鏡が買えることを知った。
 では、屈折にはメリットがないのか?

 それは違う。屈折にもメリットがあるし、反射にもデメリットがある。そのことを話そう。

■反射は安いが扱いにくく、屈折は高いが扱いやすい。

 確かに反射望遠鏡は屈折に比べ大口径のものが安く手に入る。これは本当に大きなメリットだ。しかし、使っていくうちに光軸が狂ったり、鏡の反射率が落ちたりして、その本来の性能が生かせなくなってくることがある。こうなったとき、初心者にはそれを簡単に修正することができないことになる。
 
 これに対して、屈折望遠鏡は購入以来ほとんど光軸の狂いは生じることはなく、メンテナンスフリーでずいぶんと長く使っていくことができる。つまりは、屈折は反射に比べて買うとき高いが、買った後は初心者でも安心して長く使っていける。

■口径以外の望遠鏡の性能の違い。レンズと鏡の違い

 次に、前に望遠鏡の性能がその口径であることを話した。しかし、実際には口径だけではなく、その材質の違い、つまりはレンズなのか、鏡なのかによっても性能は違ってくる。
 まず望遠鏡にレンズと鏡のどちらを使うかには歴史がある。
ニュートンはレンズを使うと、そのレンズがプリズムの働きをして、像が滲み、はっきりと見えないことを発見し、望遠鏡にレンズを用いることをあきらめ、鏡を使う反射望遠鏡を考案し、実用化した。
 実はこのニュートンの考案した反射望遠鏡は今なお現役なのである。しかし、ニュートン以降、最近になって性能の高い光学ガラスが次々に開発された結果、滲みの少ない像がはっきりと見えるレンズが開発されるようになり、屈折望遠鏡の性能はここ20年来、飛躍的に良くなった。

 しかし、鏡に比べて、ガラスの材質が高価になることや、研磨する行程が複雑で手間がかかることなどから、値段の方は鏡の何倍もするようになってしまう。それと反射鏡のように大きな口径のものが非常に作りにくいし、もし造ったとしても非常に高価になってしまう。それで我々が買う場合、少しでも口径の大きい反射にするか、口径を大きくすることは我慢して、屈折望遠鏡にするかを決めなくてはならない。

 ニュートンの時代には光学ガラスの性能は悪かったが、最近その性能は非常に高くなり、屈折望遠鏡はそれを使うメリットができてきた。
 最近の優秀なレンズが入った屈折望遠鏡は反射鏡に比べてコントラストが高く、滲みもなく、星がくっきりと見えるようになった。中でも、コントラストの高いということはすばらしいことで、白く淡い星雲や彗星などを見るとき、夜空が白っぽくなったりしないで、真っ暗な背景の中に淡い星雲が浮かび上がるのを見ることは快感である。
 これに対して、反射鏡は性能の高い屈折に比べてどうしてもコントラストが低く、淡い対象を見ようとすると、バックの夜空が白っぽくなってしまうので、あまりすっきりと見えない場合が多い。
 だから、いくら反射で、口径の大きなものが安く買えても、コントラストが低いことではっきり見えなくていらいらすることも多い。
 それに対しては高性能の屈折がよいのだが、同じ値段なら口径が小さくなり、前が暗くなって、これまた気分が良くない。従って、考えられるのは、コントラストの高い反射にするか、お金を惜しまず口径の少しでも大きな高性能な屈折望遠鏡を買うことになる。

■あくまで主観的な反射望遠鏡と屈折望遠鏡の見え方の違い

 望遠鏡の性能のことは良くわかった。では感覚的なその見え味はどうなのか。実は、このことはやはり主観に存する。人が違えば、考えが変わる。
 そこで僕のことを話すことになる。

僕個人的には星がきらめいた感じに見える反射望遠鏡の見え方が好きである。これは斜鏡支持棒の回折に寄るわけであるが、個人的にこの回折をこよなく愛する。
 しかし、屈折の真っ暗な夜空を背景に、屈折の口径の小ささによる光の乏しい宇宙もまた神秘的ですばらしい。ただ、個人的には屈折の丸い星像やエアリーディスクという現象やその星の落ち着き払った印象などは好まない。反射で見るような星の不安定なきらめいた見え方を支持する。

 では、どうして僕は屈折望遠鏡を使うのか。それは写真を撮りやすいことと、取り扱いが楽だからだ。だからもし、写真を撮らないのであれば、まずは反射で入門し、興味が湧き次第屈折望遠鏡ものぞいてみるのがよいだろう。

 しかし、最近この日本からまともな反射望遠鏡が消えた。

 正確にはニュートン式反射望遠鏡の製造がなくなり、反射望遠鏡を手に入れるには中古でしかその方法はない。このことはとても残念なことだ。
 おそらく、反射望遠鏡が大きくかさばり、取り扱いの難しいことと、ちょっとお金を足せば高性能な屈折望遠鏡が買えることにも原因があるだろう。

口径の違いによる望遠鏡の大きさ比較
 左の写真は口径の違う反射望遠鏡を二つ並べてみた写真。左が10cm反射で右が16cm反射。
 たかが6cm違うだけでこれだけ大きさが違う。すなわち、望遠鏡はその性能を口径で言い表すので、口径の大きさの差から想像する大きさとと実際の大きさとはかなり違うことを心に留めて置いてほしい。

 確かに口径とは反射鏡の直径を表した言葉であるのでその面積で比較すると10cmと16cmでは2.5倍の差になるわけであるから、太さが2.5倍になることが想像できよう。

 ただ、それに加えて、筒の長さが増えたり、鏡も分厚くなったり、鏡を支える部分も強くすることで、重くなるわけであり、想像以上に大きく重くなることは否めない。

有〜ぽんに10cm反射望遠鏡を初めて持ってもらった。第一声、思ったより軽〜い。ということだ。確かに反射も10cmや13cmのものは軽い。これが16cmとか20cmなどになると、重くなっていやになる。
No.4