写真館通信の世界
月面について
晴れた月夜に、月を眺めていると、うさぎさんがひっくり返っているように見えます。上の満月のスケッチを見てさえそう思いませんか?そのうさぎさんのからだ、つまり黒い部分は月の海で、過去に一度も水があったことはありませんが、一般にそう呼ばれています。まず、うさぎさんの耳になってるのが神酒の海と豊かの海。そして、顔のところは、静かの海……という感じで、何となくうさぎに見えてきます。
 さて、この月面の地形の名前は誰がつけたのでしょうか?それはどうも昔から勝手に名前が付けられていたのですが、1932年国際天文学連合がそのうちの約五千の名前を承認し、その後は国際天文学連合の月面命名委員会が加盟国に候補名の提出を求め、それらをもとに正式に決めていったのだそうです。しかしその命名には一定の原則があって、クレーターなどは亡くなった天文学者や科学者の名前を付け、山脈には地球上の地形の名を命名し、また、海には精神状態を示すような名前をつけるという原則があるようです。つづけて月について興味深いことだけを取り出して話しをつづけていくと、まず、先ほどの海の部分が暗く見えてうさぎさんの形に見えるのはどうしてかについて調べてみますと、それは構成岩石の違いなんだそうです。まず、山脈など陸地は白く光る斜長岩からできていて、海の部分は地球のよりも黒い玄武岩からできているのだそうですまた、海と呼ばれているところは月ができて以来、水のあった形跡はないらしいのですが、周囲よりも低く平坦なところなのだそうです。海のうちで最も大きいのは雨の海と嵐の大洋の両者で、いずれもうさぎの体の部分にあたりますね。それにしても、天文学連合の海の命名の原則が「精神状態を示すような名前をつける」となっているのは面白いなあと、思いました。ぼくが一番気に入っているのは、夢の湖とか虹の入り江なのですが、どれもなかなか心がくすぐったくなるような命名で素敵だなと思います。

●月夜の青さ

 月夜は青く見えると一般にいわれていますが、本当はどうなのだろうかと思って月光に照らされる白い小さな花を撮影してみたことがあります。その結果は、青くはならず、少し黄色がかりました。調べてみると、実際には月光は青くはないそうで、月は太陽の光の7%の光を反射し、日光より赤みがかっているのだそうです。ではどうして青く見えるかというと人間の目は低照度下では赤い色よりも青い色に敏感に反応するからだそうで、このことは一般にプルキニエ効果と言うんだそうです。

●地球照

反射光がでてきたところで、地球照のことも忘れられません。地球照というのは英語でアースシャインというのですが、要するに地球がお日様の光を受けてその何%かを反射してるんですがその反射光で月を照らしているという現象のことです。これは月がまだ細い頃できるだけ暗くなってから太陽からの光を直接受けて光っている細いところ以外の部分が薄ぼんやりと光っているのがよく見られます。これが地球照と呼ばれるもので、地球が鏡になってお日様の光を反射させて月を照らしているのです。もし、ごらんになったことのない方がいらしたら、次の細い月の夜によく見てごらんになってください。肉眼では少々倍率が足りませんがよく目をこらしてみますと、薄く、月の模様まで見えると思います。いいですか、よく目をこらしてください。それと、暗闇に目を慣らすのです。すると人の目の瞳は大きく広がって直径7@にまで大きくなります。レンズの性能の第一番はレンズの口径ですからとにかく暗闇に十分に目を慣らしてから見ることが大切です。これは暗順応といって、明るいところに目をならすよりも暗いところに目を慣らす方により多くの時間がかかるからです。

●三日月の傾き

それからもし地球照を見る前に時間があったら三日月の傾きに注意してください。これからは秋になりますから秋の夕暮れには三日月の傾きはほとんどなく、つっ立った感じの三日月に見えるはずです。これに対して、秋の夜明けに見る細い月の傾きはとても大きくまるで寝そべっているよう感じを受けます。春はちょうどこの逆で、春の夕暮れの細い月は寝そべったように見え春の夜明けの月は立った感じに見えます。このことは説明するのは難しいんですが、簡単にいうと、白道(月の通り道)の地平線に対する傾きが、春と秋で大きく変わることに由来していてこの説明は次の機会にゆずるとしても一度注意して三日月の傾き加減を見てみてください。この月の傾きの違いというのは、三日月だけのものではなくて、どの月齢の月でも季節によって傾きの大きさは違いますし、月の出没場所も変化していきます。このことについては後で説明します。