写真館通信の世界
★月の撮影について★
最初の説明にも書いたように、
ぼくが月面を写すようになったのはごく最近のことで、
始めて望遠鏡を買ったときからもう15年もの歳月が経ちました。
始めて買った望遠鏡は反射望遠鏡で、
とても写真を撮れるものではありませんでしたが、
今回お金をはたいて買った望遠鏡はとっても高価なレンズの屈折望遠鏡です。
これをビクセンというところの安い赤道儀にのせているんですが、
知ってる人から見るとぐらぐらして無理じゃないの!
と言われそうですが、これがどうして立派なものなんですよ。
その秘密が三脚にあります。この三脚15年前の古い三脚で、
足の先端が鋭くとんがっているんですね。(今の三脚って足先が丸いでしょ!あれがブレの原因になるのです)
それに加え、足のねじれなどを完全に封じ込めたから、
ほぼ完璧な強度が出たんですね。
だから、安心して使えるんです。
これは貧乏からでたまこと、と言えばいいのでしょうか。
こうして出来上がった望遠鏡一式なんですが、
それでも、カメラのシャッターショックは吸収できないので、
シャッターはケロッピのうちわを使って、筒先開閉でやりますまず、
カメラのシャッターを開くでしょ。
この時はケロッピのうちわで、望遠鏡の先をふさいでおくのです。
それで、カメラのシャッターを切ったときの振動がおさまったときをみはからって、
慶ちゃんがうちはを振り下ろして、露出を始めます。
このときカメラが露出を自動で測ってくれて?シャッターが閉じます。
閉じるときのショックはブレに影響しませんから、
これで完全な無振動で、月面を撮影できるわけです。月を撮影するには
1600ミリ以上の焦点距離で撮影するからぶれることが一番恐く、
次に空気の揺れが恐いものになります。
低空の星や夜景がきらきら美しく輝いている日は空気が揺れているので、
いくら無振動で写してもぼけて写ってしまいます。
空気が止まったわずかなチャンスを見逃さないことが大事になります。
実際の撮影風景
2012年8月追記

この記事を書いて以来、だいぶ時間が流れました。
上の写真ではビクセンの赤道儀とボーグ125EDという望遠鏡
それにオリンパスのカメラという組み合わせで月を撮影しています。

この組み合わせだと確かにシャッターを切ることは振動の原因になってしまいますので、
“うちわ”でシャッターを切るしかないのです。

しかし、時を経て、
現在僕はフィルムではライカ、デジタルではキャノンを使っていますが
そのどちらもカメラボデーにミラーアップ機構がついているので
難しいことを言わなければ
“うちわ”でシャッターを切る必要はなくなり
全て一人で撮影できるようになりました。

望遠鏡も赤道儀も変わり、
赤道儀はタカハシの90s、鏡筒はタカハシのFCT-100という屈折望遠鏡を主に使っています。