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春の北海道の野山や牧場に続く道を走っていると、その路沿いに黄色く鮮やかなたんぽぽの姿をよく見かける。しかし、注意してみるとそのたんぽぽのほとんどが外来種のもので在来のエゾタンポポを見かけることはほとんどない。北海道の春の草原のあの黄色い鮮やかさは、ほとんどが外来種のたんぽぽの黄色になっている。そういう思いを持って、本州の都市郊外を歩いてみると、外来のたんぽぽもよく見かけるが、在来種のたんぽぽも結構たくさんあって驚かされる。
人間の目線からぱっと見て、日本の在来種のたんぽぽと外来種のたんぽぽを見分けるのは意外に簡単である。まずよく見ると色が違う。そして、花の盛りが違い、そして最後に花首の所を見ると確かめられる。色は在来種の日本たんぽぽは薄いレモンイエローで、外来種よりも盛りも少なく、上品な姿に見える。そして、少し小型かもしれない。北海道のエゾタンポポと外来種をぱっと見て区別することはなかなか難しい。エゾタンポポも負けず劣らず大きくて、花の盛りも良いからです。さて、ここで少し在来種と外来種の違いを簡単に説明します。
在来種は、自分の花粉では種をつくることができず、隣近所にある別の個体の花粉がめしべにつかないと種ができません。このことを自家不親和とか自家不和合とか言いますが、これはたんぽぽに限ったことではなくて、果樹などではごく普通のことです。この、お隣のお父さんの花粉がないと種ができないということは在来のたんぽぽが一本そこにあるだけでは子孫を残すことができないことを意味します。
これに対して、外来種のたんぽぽはお父さんの花粉がなくても、種をつくることができます。これを無融合性生殖と呼んでいますが、外来種はお父さんがいなくても、たとえ一本からでも種をつくり、子孫を残すことができるのです。だから、外来種のたんぽぽはみんなお母さんたんぽぽのクローン、つまりコピーなわけです。このことからたんぽぽのことを「父親のいない植物」と言ったりしますが、この性質は北方に行けば行くほど増えてくるように思えます。
このような外来種たんぽぽの繁殖力の旺盛さはあたかも在来種のたんぽぽを駆逐したかのように報道されていますが、在来種を駆逐しているのは外来種のたんぽぽではなくて、人間であることがわかってきました。お隣のお父さんの花粉でないと受粉しないということは、種の多様化を促し、気候や環境が多少変わっても、全滅だけは避けようとする知恵なのですが、ある程度まとまった群落がないと種を維持できないという弱点を合わせ持っています。この弱点をついたのが人間で、市街化開発などの環境の単純化、画一化は在来たんぽぽの群落を分断し、花粉の供給ができないようにしてしまいました。そのため、都市の中では日本たんぽぽを見ることができなくなりました。
ですが、最初に述べましたように、本州なら、少し郊外に出るとたくさん日本たんぽぽの清楚な姿を見ることができますので、是非休日などで郊外をドライブするときには御覧になってくださいね。 |
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