写真館通信の世界
★生と死の隔たり
ある時ふと気づく。
日本の人口1億2000万人。
だけど、死んだ人の数はずっと多い。
ぼくには
子供がいて、父がいて、そして
もうこの世にいない祖母がいる。
祖母はこの世にいないけれど、
ぼくの心の中では生きている。
しかし、
ぼくの子供の心の中で
祖母の思い出は生きることができない。
ぼくとぼくの子供の間は
祖母という共通の思い出では埋まらない。
そう思うと、
人の人生は少なすぎる。
せめて、四世代が同じ時を過ごせる
悠々とした時間がほしい。
この世とあの世を隔たりを埋めるには
写真も、ビデオも、音声録音も
あまりに無力だ。
この隔たりを埋めることができるものが
発明されたら
それが本当のIT革命なのだろう。