印刷で写真の品質に迫る! 安く、大きく、美しい風景を飾るために
フォトコレクションの世界
LP-7『湖畔の風』
 夕闇が迫る頃の湖畔はそれまで吹いていた風がやみ,ひとときの静けさに支配されることが多い。これを夕凪というのだろう。
ゆっくりと日の光が失われていくにつれて,風もすうっと消えてゆき木々のざわめき,波の打ち寄せる規則的などよめきが音を消す。時折水鳥のたてる鳴き声と羽ばたきが静寂を破るほかは世界は無音に包まれる。
 そして,その静寂の中で,湖面を小刻みに揺らせていた波の揺らぎもさらに小さくなり,湖面はなめらかなよく磨かれた鏡のように静まり,時折吹いてくる風がその湖面を揺らすことで,風はその通り道を伝えている。
 美しい夕焼け空は湖面に見事に映え,刻々と移り変わっていく空の色に合わせて湖もまた七色にその色彩を変える。そして,その色彩が薄れる頃,早くも湖畔には夜の気配が漂い始め,再び湖畔には冷たい風が吹くようになる。