前略……その対比に少し悩みましたが、そばに咲いていた花が風に揺れているのを見て、ぼくはもう考えることをよそうと思いました。知らないでいいことがこの世にはあります。風に揺れる花は僕にそう教えてくれます。
「風が吹くと私は揺れる。するとあなたは私に目を止めて下さる。すると私はあなたの心にほんの少しあいた小さな隙間に私という小さな種子を飛ばすことができます」僕はその時はっと気が付きます。長いこと「幸せって何だろう」と悩んできました。幸せというのは心の隙間に一本の小さな花の種子を植えることなのだと僕はそのことに気づいたとき、フクロウさんたちのことも何となく分かった気がしました。だけど僕は誰にも本当のフクロウさんのことを聴こうと思いません。これでいいのです。それから僕は風のように生きたいと思うようになりました……。