最新2011年カレンダー
 2011年カレンダー補足 表 
2011年カレンダー『北国の小さな物語』補足 裏

カレンダーにもれなく付属するカレンダー補足です。

ジャコビニ・ジンナー彗星のこと、2011年の金星と地球の位置関係
夏と冬の長さの違う理由、大熊座と親子熊岩のお話、日食月食など話題が豊富です。
■ジャコビニ流星群 2011年10月8日深夜〜9日未明

2011年10月8日深夜〜9日未明にかけて、13年ぶりとなるジャコビニ流星群への期待が高まります。 ジャコビニ流星群は母彗星ジャコビニ=ジンナー彗星の残していったダストの中に地球が突入して見られるものです。ジャコビニ流星群は13年に一度大出現することで知られており、1933年、1946年と一時間に1万個とも2万個とも呼ばれる数の流星が飛んだと言われてきました。そして1972年、日本でジャコビニ流星群への期待が高まる中、不発に終わり、“裏切りの流星群”の汚名が着せられることになります。その後は1985年1998年と1時間に100個程の数でまあまあ、というところでした。そして、いよいよその13年後、今年2011年の10月8日夜を待つわけです。 ジャコビニ流星群は誕生して間もない流星群ですから、飛べばまとまって飛びますが、そのピークは鋭く、すぐに終わってしまいます。月明かりが強く、輻射点(りゅう座だから北の空ですね)も低いので、観測条件は悪いですが、幸い土曜日の夜ですし、もし時間が許せば、根気よく待って見ていてくださいね。すごく飛ぶかもしれませんので

■2011年9月23日は海王星の誕生日

2011年9月23日は太陽系第8番惑星の海王星の誕生日です。海王星が発見されたのは、今から165年前の1846年9月23日。海王星の一年は165地球年で、発見から165年経った2011年、ちょうど太陽を一周、発見された時点の位置に戻ります。  海王星(Neptune・ネプチューン)は大気に含まれるメタンの影響で、美しく鮮やかな青色に見え、表面温度−218℃、赤道半径約2万km、自転軸の傾き28.8°、自転周期16時間の巨大な氷の星です。ただ、太陽系で一番遠い惑星で、見かけ7.8等と暗く、肉眼では見えず、望遠鏡でも余程のものでない限り、光の点のようにしか見えません

■2011年の金星

2010年12月1日に夜明けの東空で最大光度に達した金星は多少高度と光度を落としながらも依然ものすごい輝きを夜明け空に放ち、美の女神の威信を放ちます。(2011年は最大光度になることはありません。) しかし1/9日に西方最大離角を迎えた後地球から離れつつ、急速に地平高度も落とし、3月も下旬頃には朝ということもあって、存在感はあまりなくなるでしょう。カ図で右半分にいるときは明けの明星で、左半分にいるときは宵の明星として輝く。) その後、8/15日に外合といって、地球から一番遠くに離れて全く見えなくなります。 8/15の外合を過ぎると、金星は夕方の西空に回りますが、その後2ヶ月はほとんど姿を見せなくなり、秋も深まる10月頃になってようやく地平高度も上がってきて見え始め、その後大晦日まで着実に地球に近づいてきます。 2011年金星は縁遠くなりがちですが、少しでも心にかけて下さったら嬉しい

■太陽の活動期について

太陽の活動は11年を周期に活発になったり、静かになったりしています。このことは太陽表面に出る黒点の数を目安にします。黒点が多いと活発。少ないと静かです。2000年頃、太陽はとても活発に活動していましたが、2008、9年頃黒点の数が全く消えてしまい、ほとんど黒点が見えなくなりました。 このままミニ氷河期になるのではないか、という心配までされていましたが、2010年に入って、黒点数が少しづつ増え始めており、このまま順調にいけば、太陽の活動はもうすぐ活発になり、フレアという大爆発がよく起こるようになります。
 フレアのエネルギーは地球で僕たちが使う100年分のエネルギーに相当し、フレアが起こると、太陽風が強まります。この太陽風は太陽の自転によってまるで水をまくスプリンクラーのように海王星のずっと先までまき散らされ“太陽圏”を形作っています。地球にはこの太陽風に対し“磁気圏”というバリアがあり、それに守られていますが、この磁気圏が太陽風に刺激されると、綺麗なオーロラが見られます。このここ数年来オーロラはほとんど見られませんでしたが、うまくいけば再びすごいのが見られるようになるかもしれませんよ!お楽しみにね。

■大熊と小熊のお話

●親子熊岩 ー北海道 せたな町ー
 北海道道南のせたな町大成区に親子熊岩という岩があります。この親子の熊には悲しい伝説があります。
 「大昔のこと。天変地異が起こり、生きとし生ける者が皆、飢えに苦しんだ。この頃、山奥に親子の熊が棲んでいて、母熊は飢えた小熊を連れてこの海岸にたどり着く。母熊は子カニを見つけ、小熊に食べさせていたが、そのうち、小熊が足をすべらせて海の中に落ちて溺れそうになる。これを見た母熊も海に飛び込んで助けようとするが、親子共に溺れてしまう。
 しかし、これを見ていた神様は親子の愛に心打たれ、親子の熊をすくいあげて、岩に変身させた」というのです。 物悲しい親子熊のお話ですが、これとは別に、大熊座と小熊座にまつわるギリシア神話にも物悲しいお話が伝えられています。

●大熊座と小熊座 (ギリシア神話)
大熊座にされたのは月の女神アルテミスに仕える美しいニンフ、カリストで、カリストはある時、ゼウスの愛を受けて、子を宿してしまいます。これが月の女神アルテミスに知られてしまい、アルテミスは激怒し、カリストを熊に変えてしまいます。カリストの子、アルカスは狩人になるのですが、ある時、母カリストは自分の姿のことも忘れ、愛しさのあまりアルカスに走り寄っていきます。しかし子アルカスはそれを母とは知らずに弓で射殺そうとします。その一部始終を見ていたゼウスはたまりかねて二人を天に投げ上げ、大熊と小熊の姿に変えた」というお話です。 小熊座はそのしっぽの先が北極星で、大熊座のしっぽが有名な北斗七星です。確かに北の空を見ると、小熊と大熊が回りあっているように見えます。そして少し暗く淋しく見えるのは、こうした親子熊の悲しいお話のせいなのかもしれませんね