環境への想い
★せっけん(石鹸) No3.
★石鹸造り
 石鹸造りほど一石二鳥の感が強いものもない。石鹸は廃油と水酸化ナトリウムから造る。この廃油は家で天ぷらなどをして多量に出る油のことである。この油を捨てるのに苦労している女性の方はどんなに多いことだろう!
 たいていは、流し台から夜闇に紛れて捨てて、小さな胸が痛んだり、新聞紙にしゅませて捨てるといった苦労を伴うだろう。しかし、もしこの廃油を石鹸に変えることができたら、それはまさに宝の油であり、いきなり待遇が変わる。
 しかも廃油が石鹸に変わると、今度は自分の体を綺麗にすることができる「もの」に変わるのであるから驚きである!さあ、今から厄介者であった廃油を宝の固まりに生まれ変わらせ、体も心も綺麗にしていこうではないか!
 用意するものは、基本的に廃油と水酸化ナトリウムと水である。
●廃油       1000N
●水酸化ナトリウム 100K
●水        200N
 廃油が多かったり、少なかったりする場合には、左の分量の割合から比例計算して下さい。
 だいたいの流れとしては、水酸化ナトリウムを水に入れて、水酸化ナトリウムの水溶液を造り、この溶液を廃油に入れ、かき回すのである。そして適当な固さになったら、そのまま紙容器に入れて、あとは一週間ほど待てば石鹸となる。
★さあ、始めよう、石鹸造り!
 この時は廃油が2000Nあったので、先ほどの割合より右のような割合を得る。

●廃油       1000N
●水酸化ナトリウム 100K
●水        200N
●廃油       1500N
●水酸化ナトリウム 150K
●水        300N
上の割合通り水酸化ナトリウムを150g計る。
 次に、水酸化ナトリウムをかき回しながら水にゆっくりと入れる。

この時、水酸化ナトリウムの粉の方へ、水を入れてはいけない!一時的に濃度が高い水酸化ナトリウムの溶液となって、高熱を発し、危険な状態になる場合がある。かならず、上の写真のように、水の中に水酸化ナトリウムを入れよう!それから、水酸化ナトリウム溶液は危険なので、目に入らないとか皮膚につかないようにするとか、匂いを吸い込まないとか注意せよ!換気扇のある部屋でやるべし!慶ちゃんのようにゴム手袋や前掛けなど必需品である。

注意するポン!
 それでも、水酸化ナトリウム溶液の温度は軽く50℃を越える。丘のうえの小さな写真館には100℃まで測れる温度計がなく、全部50℃までしか測れない。残念だ。
 水酸化ナトリウムが充分に溶けて、水溶液が透明になってから、今度はこれを廃油の中にゆっくりと入れていく。決して跳ねを飛ばして、水酸化ナトリウムが目に入ったり、皮膚についたりしないように!!
 水酸化ナトリウム溶液を全部入れ終わったら、全力をあげてかき混ぜる。最初の10分は辛抱強く長くかき混ぜ、あとは10分ほど適当に混ぜる。目安として、細い線がかける程度ねっとりするまで。手が少し辛いが辛抱して下され。ここまで来れば、水酸化ナトリウムの恐怖から開放される。ホッと一安心ってところか。
さあ、もうすぐだポンよ!
まあ、こんなもんだろうねえ。キャラメルでも作っているようだ。食べちゃダメだよ。
 あとは、こうして容器に移していく。
 今回はこれだけできました。あとは、このままほこりが入らないようにして、冷暗所で一週間以上おくと、石鹸が出来上がる。ただし、20℃以上の気温だと固まらない場合がある。日本だと夏に石鹸を造ることはこの理由から難しいかもしれない。
 とりあえず、ご苦労様でした。
【注意事項】

 水酸化ナトリウムは我々人間の体にとって最も危険な物質といえる。特に目にはいるとか、皮膚につけるとかしてはいけない!水酸化ナトリウムのようなアルカリ性は簡単に我々のタンパク質を犯すのである。
 できれば、服にもつけてはいけない。必ず穴があくからである。従って、メガネをするとか、手袋をはくとか、前掛けをするとかの工夫が必要になる。
 しかし、だからといって、そんなに恐れていてはいけない。軽く考えずに真剣にことに望めば、必ず成功する。繰り返し言えば、石鹸造りは水酸化ナトリウムの取り扱いにかかっている。この物質に対しては、用心の上にも用心を持って望み、決して不注意な取り扱いをしないように慎重になって下さい。
 決して、水酸化ナトリウムの粉末の方に水を注がないこと!これを忘れてはいけない。水の中に水酸化ナトリウムの粉末を入れて行くんですよ!そすれば、徐々に発熱する程度ですみますから!
 さあ、石鹸造り、恐れないでチャレンジしてみて下さい!