銀塩フィルムの世界
アグファ AGFA APX100
アグファ AGFA APX100

 このフィルムは2006年を目前に生産終了。アグファ社もろとも、なくなってしまいました。
しかし、このことは私たち人類が決して失ってはいけないものを失った瞬間でした。
 
 このAPXというフィルムの中間トーンでの階調の再現力は傑出しており、
最も大切でありながら、現像では調整できない中間トーンの再現を
他のどのフィルムよりも見事に表現するのです。
 
 しかも、その価格は210円と、今から思えば、ただみたいな値段で売られていたフィルムでした。
 僕もこのフィルムのすばらしい中間トーンの再現力は、他のフィルムとの比較実験を重ねて、
明らかになったわけであり、このことをAPX100 生産中にお伝えできなかったことは、
とても残念なことでした。
 今思えば、全財産をはたいても購入するべきでフィルムでした。
しかし、今ではどんなにお金を出しても手に入らなくなりました。
 私たちはなんともったいないことをしたのでしょう!