撮影機材 ハッセルブラッド・Hasselblad
ビオゴン Biogon38mmF4.5 ★ SWC/M38mm f4.5
ビオゴン Biogon38mmF4.5 SWC/M38mm f4.5

レンズというよりカメラのようですが、
ハッセルブラッドのことを知らなかったその昔から
このビオゴンのことだけは「可愛いなあ〜」という気持ちからよく知っていました。

ただ、値段が80万近くもすると聞いていて
それが値段だとはとても思いもよりませんでした。

でも、その頃からビオゴン38mmF4.5だけはいつかほしいと思っていました。

さて、その描写力ですが、

その前にビオゴン38mmF4.5について言うことがあります。
このビオゴン38mmF4.5、実はレンズを通ってきた光で
ピント合わせができないので、
カメラの上部に着いた黒くて覗けそうな部分 (
外付ファインダー)により
構図を確認するだけで撮らなければなりません。
つまり、ピントも見ながら合わせることができず、
しかも、この外付けファインダーは歪んでぼけて見えて
あまり気分がいいとは言いがたいものなんです。
しかも、レンズがさえぎって、外付けファインダーの視野の下1/5くらいは、
レンズによって見えないのです。

こうした撮影上の困難さがつきまとうために、
僕も最初本当に苦労しました。

特に苦労したのが、ピントが合わせられないと言うことでした。
なにせ、実際に写してみなければ、ピントが合っているかどうかわからないのですから。

これには困りました。

そしてこの問題で一時はビオゴン38mmF4.5はやめる!なんて考えた時期もありました。
しかし、執念深くレンズのピントを合わせる練習やテストなどを繰り返して
ようやくピントが出せるようになりました。

こうして苦労の末に、ピントが出せたときの喜びは大きかったのですが、
その時にピントが合ったビオゴン38mmF4.5のネガティブを
ルーペで観察して
その解像力の高さには度肝を抜かれました。

また、カラー写真ではその抜けの良さ、輝き感は
他のどんなレンズの比ではなく
透き通るように光を描写しました。

僕はこうして苦労の甲斐あって、
今はビオゴン38mmF4.5を信じるようになりました。
ビオゴン38mmF4.5の外付けファインダー。
歪むし、ぼけるし、明るいだけがとりえのファインダー。
正面から見る。
いたって普通の口径のレンズ。
ミラーボックスがないので
開放で物理的なケラレがなく、周辺まで光がくる。
ビオゴン38mmF4.5のリア。
フィルムまでの距離がすごく短いので
このビオゴンレンズのために特別にボデーが設計されました。
★ ビオゴン38mmF4.5 ★

 ビオゴン38mmf4.5レンズで滝を撮影する。
見てのとおり、実に軽快な撮影。
35mm判と何ら変わらずにいけるのがこのカメラ(レンズ)のいいところ。
 一般には値段が高いこともあって、
世界最高の広角レンズなどと書かなくてはいけないが、
実際にはなんのことはない。
威厳に満ちた風貌ではなく、実にけなげで可愛く、気軽に使える姿をしている。
 しかも、他の撮影機材とは少し違うので、気分転換にもなるところも魅力。
そして、実際にできてきた写真もこれまた他のレンズと雰囲気が違う。
シャドー部は落ちて、ハイライトはトーンが残る。
そして可愛い見た目にだまされてはいけない。
結構インパクトの強い写りをする。
強烈な解像力には度肝を抜かれる。
 僕がこのカメラをよく使うのは、そういった他と違う刺激がほしいからでもある。
国産のレンズは文句無く優秀なレンズが多いのだけれど、
なぜか物足りないし、
ハッセル用の他のレンズも何千枚も見ていると飽きてくる。
そんな中にあって、異色の存在がこのビオゴン38mmF4.5。
できてきたフィルムをすごい勢いで選別整理している途上に、
お!と手を止めて、
フィルムを見ながら歓声が上げるのは決まってこのレンズで写したものである。
 目が覚めるくらい綺麗に撮れているかと思えば、
全くダメなときもある。
要するに僕はまだ使いこなしていないが、
このレンズの可愛さと、仕上がりの刺激とのギャップにたまらない魅力を感じる。

ビオゴン38mmf4.5カラー作例
ビオゴン38mmF4.5による作例。最新のポストカード作品から/ 青森県 十和田湖町 奥入瀬渓流
 ビオゴンレンズの魅力は何と言っても画角90度にも及ぶ広大な風景を自然な感じに写し、広角レンズで写したことを感じさせないことであろう。
 そして、左右の手前隅の描写が実にシャープで、ほれぼれすることも特筆できる。上の写真などインターネットの画質ではぼけて見えるが、実際にビオゴンで撮影したポジからプリントされたオリジナルプリントを見ると、その手前隅の美しいシャープさ、階調に驚く!
 しかし、シャドー部は残念ながらストンと落ちる傾向があるが、その代わりハイライトの階調は見事である。シャドー部の扱いがこのレンズの決め手となる。