過去の撮影機材 
ニコン Nikon FE2
僕はニコンのF2という機械式のカメラで写真を始めました。
その後、同じく機械式のニコンFM2を買って、同時に使うようになりますが、

そのうち、その両者共に、内蔵露出計が暗いところの測定ができず
困ったことが何度もありました。

そんなことがあってから、
露出計にすぐれ、かつシャッターの切れ味がいいカメラを探し始めました。

そうして行き着いたのがこのニコンFE2というカメラでした。
しかし、折り悪く日本はバブルの時代で
このFE2にはプレミアムがついていて
値段が高騰、新品と変わらない価格で売られていました。

そんな中、僕は中野のフジヤカメラでその後の愛機となるFE2を買ったわけですが
この時、電話で女性の店員の人に、FE2がほしいのですが…というと
5台ほどありますが、どれにされますか?」と言われましたので
「すみませんが、シャッターを押した感じが一番小気味よい感じのものをお願いします。」と僕がお願いすると

「しばらくお時間下さい。全部シャッター切ってみますから」と親切なことを言われ、
10分くらいしてから再び電話をかけて、その時「これがいい感じですよ!」ということで
僕は彼女の言うとおりに、FE2を55000円で買ったのでした。

こうして丘のうえの小さな写真館にやってきたFE2でしたが、
彼女の言うとおり、僕の好みのシャッターで、本当にいい感じでした。

その後、このFE2は一度も故障することなく、
僕と共に北海道中を巡りました。
ニコン Nikon FE2のファインダー
ニコンFE2を優れたものにしている理由に、露出計の表示があります。
シャッター速度と絞りを変えて、上の写真左側の緑と黒の針を重ねてやれば、
それが適正露出になって写真が撮れるのです。
この針式アナログ露出計の優れた点は、
適正露出の前後を幅広く一目で見渡せることや、
低照度まで素早く反応してくれるところにあります。
(しかし、ニコンFE2の場合、スポット測光や部分測光ができないことがとても残念です。)

また、露出計の文字列を下に読んでいくと、
赤文字
に変わり、1、2,4,8と表示があります。(上の写真参照)
これはシャッター速度が8秒までマニュアルで使えることを示しています。

これは、FE2が電子シャッターを採用しているおかげですが
こうした8秒まで制御してくれるシャッターの存在は僕にとって本当にありがたいものでした。
機械式シャッターのF2やFM2は低速シャッタが1秒までしかありませんので、
本当に何度有り難いと思ったか知れません。

マミヤM645などではこの低速シャッターが狂うことが多いですが、
ニコンの低速シャッターは未だに全く狂いません。
すごいなあ〜といつも思います。
また、こうした低速シャッターが使えるおかげで、
低輝度、すなわち暗いところでも露出計が作動することを意味し、
FE2の魅力を更に高めています。
例えば、月明かりの雪原の明るさが測れるか?など低照度の状況でも、
工夫すれば、見事に露出の目安になってくれる程です。

 その他、FE2にはFM3Aのスクリーンを使用しても、
補正せずに露出計がそのまま使えるというメリットがあります

従来のスクリーンよりもFM3Aのスクリーンの方が明るいので、
よりクリアーな画面を見ながら撮影できるメリットは計り知れません。
まるで世界が光り輝いて見えるのです!
これはハッセルのアキュートマットスクリーンにも通じることで
輝かしいファインダーを通して世界を飽きるまで見ることは本当に素晴らしいことです!

ある人は、「何もファインダーなどで見ないでも、人間の目で見れば良いではないのか?」
と言うかもしれません。
しかし、僕はファインダーでくくって
世界を見ると、
その時の印象が心に残りやすいと信じているのです。

それで、綺麗に見えるファインダーはカメラにとって
大事なことと思っています。

そう言う意味でも、FM3Aのスクリーンの入ったFE2は
いいカメラだと思います。

ニコン Nikon FE2のシャッター幕
FE2のシャッター。
ハニカム構造で軽量化され、シンクロ速度が1/250、最高速度1/4000を実現しました。