撮影機材
エルマリートR135mmf2.8
エルマリートR135mmf2.8

 ライカは不思議なことに135mmという焦点距離を冷遇して
今では焦点距離135mmの
レンズを作らなくなってしまっている。

確かに人物撮影などでは中途半端な撮影距離となるだろうが
こと風景となると、この135mmの果たす役割は非常に大きい。

僕の使うエルマリートR135mmはライツカナダのもので、
カナダ製らしくその金属の質感が良く、ヘリコイドも極めて滑らかなものである。

しかし、僕は最初このレンズを手にしたとき、
いかにもそのそっけない外観のために、その性能を信じることはなかった。

ところが、実際にこのレンズを使っていくと
その驚くばかりの描写力と使いやすさと快適なヘリコイドに驚かされ、快感に達する。

しかし、一度金属製のヘリコイドゆえ、手を滑らせてレンズを落としてしまった。
幸いなことに、その時レンズはフィルターが割れただけで、レンズ自体無傷であった。

また、レンズの内部に曇りが生じたこともあったが
それもおそるおそる分解清掃して除去することに成功した。

こうした数々の苦難もあったが、
僕のエルマリートR135mmはいまだ現役健在で、見事な写りを約束してくれる。

エルマリートR135mmf2.8の白黒作例
エルマリートR135mmf2.8の白黒作例

 実にきめ細やかで絹のような感じに写る。この傾向はライカの全レンズに通じる。

エルマリートR135mmf2.8のカラー作例
上の写真は青森県の十和田湖の南で撮ったものですが、
通りすがりにここからは見えませんが、
お洒落な木製の納屋が目に飛び込んできたので、
これを別の角度から撮ったものです。

別段、変わった風景というわけではありませんが、
僕の手にはこうした風景をエルマリートR135mmで撮ったときの快感が
今なお残っているほどなのです。

エルマリートR135mmはその名の通り、エルマリートですから
開放f値はf2.8とたかがしれたレンズです。

しかし、このありきたりのレンズはその造りは実にしっかりとし
ヘリコイドも滑らかそのものです。

そして描写も極めて良いもので
そのいたって普通の外観からは想像もできません。

そしてレンズの重量感、コンパクト感はレンズに愛着を抱かせ
どんなに古くなっても共にありたいと感じるのです。

こうしたレンズで、さりげないこうした風景をさりげなく写せることの
快感、幸せさが、僕にはとても大事なことで、
今まで中判カメラを使っていたときには
決して感じられなかった快感を伴いながら、撮影しているわけです。
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