そこで、銀塩フィルムの魅力についてですが、
銀塩フィルムしかなかった時代
僕たちは銀粒子が嫌い、それを醜いものと考えていました。
それでフィルム各メーカーもそして僕たちも
銀粒子の目立たない超微粒子のフィルムを開発したり、使ったりしていました。
しかし、デジタルの時代に変わると
フィルムの粒子はなくなりました。
僕たちが望んだようになったわけです。
しかも、銀を使いませんので、
デジタル画像はその保存にかかるお金を工面すれば
ほとんどお金がかからないと言うメリットをもたらしましたし、
その圧倒的な簡便さはとても魅力的なものです。
しかし、こうしたデジタル化が進む一方で
デジタルがもたらす画像のムードにどうも馴染むことができないわけです。
なぜか暖かさが感じられないのです。
「どうしてなんだろう?」と僕たちは考えました。
すると「これは銀粒子が見えないからだよ!」という結論になりました。
大型カメラまで使って、銀粒子をできるだけ出さないようにしていた僕たちが
今度はデジタル写真を見て、粒子が出ていないから
落ち着かない、なんていうわけです。
そうなんです。
僕たちはデジタルを見て知って、デジタルに教えられ、
逆に「銀の粒子を生かした作品」を創っていこうと考えたのでした。
美しい銀粒子によって描かれた写真!!
こうして、僕たち丘のうえの小さな写真館が目指している作品創作は
より暖かみのある写真、空気を感じる作品を目指し
銀塩フィルムによって写真を制作する方針になりました。
そして、それと同時に、
機材はライカを使うことによって
美しい粒子のある写真を目指し始めたのです。