撮影機材
アポマクロエルマリートR100mmf2.8
アポ・マクロ・エルマリートR100mmf2.8  

 R型ライカのことを全く知らなかった頃、初めてこのレンズの名前を聞いて、
こんな素敵な名前のレンズがこの世にあることに驚いた。
 それで、使うに先立ち、
ニコンのマクロニッコール105mmレンズとの比較を試みた。
カラーリバーサルで行ったその結果では
ただ一点、「マクロエルマリートR100mmの方が少し墨が入ったように写る」ということを除いて
ほとんど差を見いだせなくて、頭を抱えてしまった。

だがその後、無限付近でのテストや白黒の描写などを実際に見ていると
その違いがはっきりとわかってきた。

このレンズはマクロでありながら、無限大でも驚くほどシャープで、限りなく解像力が高い。
そして白黒でも、その階調は独特の豊かさを持ち、
どの撮影距離でもシャープな描写力はライカレンズ中でも群を抜き
「あ、これは100mmだな」と実感させられる。

アポマクロエルマリートR100mmf2.8 カラー作例
ライカR7+アポマクロエルマリートR100mmf2.8
この写真は岩手県三陸海岸黒崎で撮影した朝の断崖の様子で、
ポストカードとして好評発売中です。
写真としてこうした岩を撮る場合
R100mmのようにシャープなレンズで撮ると
安心感があります。
この写真は北海道道南の落部川です。半逆光の光に輝きながら流れる
川面の煌めき、その煌めきをそこなわないように
できるだけ速いシャッターを切ります。
すると、降雪も全く静止し、シャープなアポマクロエルマリートR100mmf2.8の描写と相まって
きりりと冬の緊張感が強調されます。

こうした写真を中判カメラや大型カメラで撮ろうとすると
シャッター速度が遅くなって、
シャープ感が損なわれます。

こうした動きのある写真には小型カメラがやはり有効だという例になると想います。
アポマクロエルマリートR100mmf2.8白黒作例
この写真は先日、白黒の写真ポストカードに制作した『竹林』という作品です。
この作品もアポマクロエルマリートR100mmf2.8で撮っていますが、
惚れ惚れするようなシャープ感、安定感です。
このことはプリントを見ても、ネガを見てもはっきりとしています。
たった24mm×35mmの小さなフィルムから何十倍にも伸びて
その画質を損なうものは、フィルムの粒子だけですが、
私的には、この粒子感もまた格別に想います。