館 写真にかける想い
白黒写真への想い
なぜ白黒写真を始めたのか
白黒写真を始めた動機は
まず、大学時代、今から20年前、写真を始めた頃、
お金が乏しくて、カラーフィルムだとなかなか写真が思いきって撮れなっかたことがきっかけで
フィルム代が安い白黒写真を始めたという経緯があります。

確かに当時は安かったんですが、
今ではデジタルの影響で、白黒フィルム存亡の危機になり
値段も高く、種類もだいぶ減りました。

感覚的に、カラーフィルムとほとんど変わらないほど高いものになっています。
ただ少し救われるのは、
フィルム現像を自分でやりますので、
現像代が安く済むと言うことです。

そういうわけで、白黒を始めた動機は
フィルム代が安かったからと、
あまり白黒への期待感は当時ありませんでした。
再び白黒を始める
その後、写真を生業としてから
白黒をする時間がなくなり
カラー撮影だけを10年以上続けます。

しかし、その頃、慶ちゃんから白黒で記念写真を撮りたいという要望が高まり
「白黒は難しい」という理由で僕が難色を示すと
「どうしても!」と慶ちゃんが強く言うので

僕も色々と説明をしながらも白黒への道を歩み始めることになったのです。

確かに、そのことと時を同じくして、
僕はハッセルブラッドへ機材を換えていましたので
白黒とカラーの両立は非常にスムーズで、
ハッセルブラッドのマガジンの力が最大限に発揮されました。

こうして僕たちはハッセルブラッドで白黒写真を再開し
2005年の日本列島縦断の旅などで
白黒を中心の撮影を深めていき、
白黒では何が表現できるのかを、つかみます。
ハッセルブラッドと白黒写真
その昔、白黒を始めたときは
ニコンやシグマといったレンズを使って撮影をしていましたが
これらのレンズではろくな写真は制作できませんでした。

それで将来もし白黒をやるなら
こうした35mm判ではなく、大型カメラでやると決めていました。

そういうわけで、本当は大型カメラでやるつもりでしたが、
カラー撮影と平行してやっていく必要から
ハッセルブラッドで白黒も撮影するようになりました。

そうしてハッセルブラッドにより白黒を開始したわけですが、
できてくるプリントを見ると、
もう、自分の写真ではないみたいに綺麗なプリントでした。
この驚きはもう言葉では言い表すことができないくらいです。

初めてハッセルブラッドで撮り、プリントした作品はこちらにあります。
ライカと白黒写真
こうしてハッセルブラッドを使いながら、白黒を撮り進めていきますが
カラー写真で、もっとフットワークを高める気持ちが高まり
撮影機材をR型ライカに変更して行き始めました。

そうすると、以前20年前に出した結論
35mm判で白黒は無理!だから白黒は大型カメラでやろうという気持ちが
頭をもたげました。

すなわち、始める前は
R型ライカと言えども、35mm判で白黒などやれるはずがない、と
思っていたのです。

しかし、この20年前の結論は
R型ライカによってけちらされました。
R型ライカで、厳密なピントで撮られる限り
例え35mm判といえども、極めて美しいネガを制作でき
しかも、あまり引き伸ばさない限り、中判からのプリント以上の
白黒プリントが制作できるという
信じられない結論に達したのでした。

では、20年前の結論とは何だったのか。
そう、一言で国産のひどいレンズにだまされたのです。

何でも初めが肝心とは言いますが、
本当にそうです。

お金がないのでしようがありませんが、
シグマなどのひどいレンズを使うと、
そのあまりのひどさのために人生を狂わせるというよい例だと思います。

なぜなら、僕は大型カメラではなく中判&35mm判で
まともなプリントが創れるなどと思いもよらなかったわけで
そのことを確かめるためだけに、ずいぶんと長い時間を使わなければならなかったのですから。

たいへんな回り道と苦労をさせられます。

しかし、R型ライカによれば白黒プリントの制作において
あまり大きく引き伸ばさない限り、
素晴らしい白黒プリントが制作できることがわかりましたので、

フットワークを軽くすることと相矛盾することがなくなり
白黒もまたR型ライカでやっていく決心をつけたのであります。

白黒写真のテーマ
こうしてR型ライカでそしてサブとしてハッセルブラッドで白黒を続けているわけですが
僕は白黒プリントには、
次のテーマを考えています。

1) 日本と外国の風土の差の表現
2)精霊の世界
3) さすらいの旅
4) メルヘン  です。

こういったテーマを追い求めながら
今後共に白黒撮影を続けていこうと考えているところです。

テーマ 日本の風土から 奈良県 『不動七重滝』

この作品は、ハッセルブラッドのディスタゴンC60mmf3,5による撮影で
紀伊半島から北海道への帰路懸命に写したものです。

この滝に夢中になりすぎて、
帰りのフェリーに乗り過ごしてしまうというハプニングがありました。
今となっては、思い出のひとつではありますが…
テーマ精霊より北海道北斗市 木地挽き高原にあるブナの作品。

これは、ハッセルブラッドディスタゴンCF50mmf4FLEでの作品。
樹木の精霊を写そうと努力しています。