ガソリンコンロに火をつける方法として、僕たちが最後にたどり着いたのは、マッチによる方法である。
それまで、数々の点火装置を試し、だまされてきた。しかし、マッチだけは僕たちを最後まで裏切らなかった。
ほんのかすかでも火がつけば、ガソリンに点火できるマッチは火をつける原点である。
かつて、アラスカの星野道夫氏がオーロラの撮影のために厳冬のアラスカ山脈を見る地で、キャンプを張ったとき、彼は、ガソリンコンロが壊れたときが死ぬときだと、いう意味のことを書いている。
この境地は僕は強く共感する。逆に言えば、ガソリンコンロさえあればなんとかなる強い味方である。ガソリンはどんなに寒くとも燃え、マッチもまたどんなに寒くても火をつける。
こうした、限界状況に対峙できるものは、原点のものなのであろうか。マッチも然りである!
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