ラズベリーという木イチゴをご存じだろうか。上の写真にあるような可愛いイチゴなのであるが、食べてみるとまさにバラの味がするイチゴである。
僕は十年ほど前、ほしくて森町の波多野さんから譲り受けて、大事に育てようとした。しかし、あまりにも乱雑な伸び方による扱いにくさのために繁殖をあきらめていた。
いわゆる庭の秩序を乱す者として邪魔にさえした経緯がある。しかし、ラズベリーの新芽の透き通るような緑は美しく、その愛しさのために、いつも庭のどこかで細々とラズベリーは存在した。
そのラズベリーを今から2年前に酒にした。いわゆるラズベリー酒である。そして2年後、すなわち今年、そのラズベリー酒を飲んでみることにした。
すると、どうだろう!ものすごくうまいのである。後にも先にもこんなにうまい酒は飲んだことがない。ぶどう酒もうまいのであるが、ラズベリーの酒は格別であり、バラの味がするのである。
これを知った後、僕が懸命にラズベリーの保護にあたったということは言うまでもない。
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