本州の人が北海道に来ようとするとき、特にそんなに何回も北海道まで足を運べないとしたら
道南からは足が遠のいてしまうに違いありません。
どうしても北海道に、広い平原がどこまでも続く世界を求める気持ちを持つ人が多いからでしょう。
そのためなのか、不思議なぐらい道南は紹介されないことが多いのです。
今年ぼくたちは再び道南の森や草原にできるだけ足を運びました。
そのとき思ったことは、道南の自然はあまりに野性的であったということです。
大雪山や知床といえば自然が豊かでヒグマが多いというイメージがあります。
しかし、ぼくらのヒグマへの畏怖は、むしろ道南の山や森の中でこそ高まってきます。
道南はもしかしたら本当の北海道の秘境、最後に残された本当の野性なのかもしれない。
そんな道南の自然を代表するのがこの狩場山(1520M)を頂点とする狩場山地でしょう!
今年は5月に足を運んだけれど、
雪が例年より多くて狩場山の山麓にある賀老高原にすら行かせてもらえませんでした。
話しによると、今年はこの賀老高原にあるブナ林ですら5月下旬で40Bの積雪があるという。
この賀老高原に行けるようになるのは6月の初旬ということですが、
その頃にはきっと残雪の中にみどりの葉を豊かに茂らせたブナが見事に風に揺れていることでしょう。
ここのブナ林は蓄積量では日本一といわれ、
その雄大なブナの森はおそらく訪れる人を心底癒してくれるに違いありません。
この狩場山地の目玉はなんといっても賀老の滝でしょう。
この滝は北海道で一番大きな滝ですが、
本州の滝とはイメージ的に少々違った、野性的な印象の滝です。
上の写真は下流から滝を撮影したものです。
今から20年近く前に撮影した写真なので、もうこの場所には行けなくなってしまいました。
今年、ぼくはどうしても雨がたくさん降ったすぐ後の賀老の滝を撮影したくてしょうがありません。
ものすごい水量が怒涛のようにたぎり落ちる激しい世界を体験したいと思います。
もし、そうではなくても狩場山地を流れる川は水量も豊富で
なかなか美しい渓谷の世界を感応できると思います。
」交通…函館から170H、車で約3時間のところにあります。
以前は南の北桧山町から熊戻渓谷を経て行くこともできました。この熊戻渓谷を過ぎて見晴らしのいい道にでると、見渡す限りのブナ林に圧倒されましたが、最近はこの道を通してくれません。
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