について
2002年 の歩み

●1月2日

100円ショップで県別のマップが売られているのを発見。ぼくたちは撮影の関係で、県別の詳しい地図を必要とすることが多くて、今まで、一枚700円は支払っていた。これが100円で手に入るということで、心は久しぶりに沸き立った。夢中になって必要な県を手に入れた。

●1月6日

冬の道東の星の撮影の準備で、バッテリーの保温ケースを捜しまわった。かさばらず、それでいてバッテリーを低温から守るにはどうすればいのか?その答えとして、発砲スチロールの箱に、暖めたペットボトルのお湯を入れることだ。カイロを入れて保温しても、発砲ケースの中は酸素が欠乏してやがて消えてしまう。しかし、お湯はさめたらまた温めればいい。このお湯を入れるのは、暖かいお茶の入っていたペットボトルが最適。これはぼくの友人の佐々木君が考案した。

●1月8日

道東に星の撮影に出発した。どうして、道東にわざわざ行くかというと、一言でいって、函館は冬になると晴れず、道東は逆に毎日晴れるからだ。それで、長い時間をかけてはるばる、道東に向うのである。

●1月12日

雪の結晶の撮影実験を繰り返す。オリンパスのベローズにズイコーマクロ38mmをつけた撮影システム。絞りのF値を色々と変えて撮影したが、その結果を見て頭をかかえてしまった。F16やF22に絞り込んで写したものの全てがピントが甘い。あとで知ったのだが、これが絞りによる、ピント移動と球面収差(回折)の増大とか。F8くらいがもっともシャープに写る。

●1月17日

道東での星の撮影結果をもとにピント合わせの検討。焦点板の保護ガラスの厚み分、ぼくのルーペではピントが来なくなることを知る。そのため、新しいルーペの検討を開始。

●1月21日

低気圧接近の中東京に旅立つ。室蘭発、大洗行きのフェリー乗船の予定だったが、フェリー会社から連絡があって、いつ大洗につくか未定。と連絡。ぼくらは急きょ、陸路を東京に向けて出発する。

●1月23日

東京、浜野顕微鏡店で顕微鏡の説明を受ける。なんと7時間の個人レッスン。その結果、オリンパスのFH型顕微鏡を購入。慶ちゃんもついでに、オリンパスGK型顕微鏡を購入。ついでに、ミクロトームも購入。

●1月23日夜

東京荒川のほとりで眠る。ししゃもをホワイトガソリンで焼いて食べたら、おいしかったけれど、燃料があっという間になくなってしまった。

●1月24日

埼玉の中古望遠鏡店CAT に行く。閉店間際だったけれど、店主の箕輪さんは親切に応待してくれた。その時、タカハシのスペースボーイ赤道儀を慶ちゃんが購入。色はグレー色と白とがあったが、グレー色のを購入。彼女はこの赤道儀にMT-100反射望遠鏡をのせるのをとても楽しみにしている。

●1月25日

信州、八ヶ岳が見える茅野市という街で偶然、通りかかった所にカッパの湯という温泉があって、入っていくことにした。ものすごい天気のいい昼下がりのこと。これ以上気持ちがいいことはないほどだった。

●1月26日

長野県清内路村で眠り、朝起きてからおいしい水を20リットル手に入れる。ぼくたちは車で寝泊まりするので、水の確保が快適さを左右する。一日、4リットルを目安にしているので、20リットルあれば、あと、5日間は旅を続けることができる。

●1月29日

神戸で輸入楽器の専門店を訪れる。そこでが世界中には数多くのピアノメーカーがあることを初めて知った。

●1月30日

大阪で大型カメラを見て回るが、以前より少なくなった気がする。木製のカメラを手にとって見たかったが、それはかなわなかった。

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●2月4日

大阪の望遠鏡店で偶然、タカハシ製作所の13cm反射望遠鏡の中古と出会う。こんなに素敵な出会いもあるんだなあ。

●2月13日

淡路島に釣りに行くが、一匹も釣れなかった。しかし、淡路島に渡る播淡汽船の値段が高騰していたのにはまいった。

●2月14日

子供をつれて、神戸の市営水族館に行くが、あまりの高さに入ることができず、近くの砂浜で砂遊びをして帰ってきた。

●2月23日

インターネットに接続。

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●3月12日

写真館通信8号完成。

●3月17日

丘のうえの小さな写真館のホームページ作成開始。しかし、初めてのホームページ作成は長びき、アップロードは4月27日のことになる。性も根も尽き果てた感じである。

●3月22日

岐阜の方から憧れのタカハシ製作所のFCT-100という10cm屈折望遠鏡を譲っていただく

●3月28日

今度は慶ちゃんが憧れのタカハシ10cm反射、MT-100を埼玉の方から譲っていただく。

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●4月14日

ななかまどの葉が開いた。

●4月20日

ポストカード州『新・函館の散歩道』『HAKODATE』の完成!

●4月21日

アンズが咲いた。

●4月23日

スモモになんとつぼみがついているのを発見。

●4月27日

ホームページついにアップロード!

●4月28日

17年間共に過ごした犬の「ルル」がこの世を去った。

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●5月2日

丘のうえの小さな写真館近くの日暮山というところまで、星を見に行ってきました。持っていった望遠鏡はFCT-100(高橋製作所の10cm屈折)と友人の23.5cmシュッミトカセグレンでした。まずは、球状星団M13を見ました。どちらが良く見えるか、という期待があったのですが、結果は見る人の好みということになりました。おまけに、りゅう座の首元には池谷彗星を見ることができて、感動的でした。M13も7×50のファインダーがあれば、一発で飛び込んでくるのですが、池谷彗星はファインダーでも良く見えるほど大きなもので、望遠鏡でこんなに大きな彗星は見たことがなかったので感動しました。青白く光って見えました。おまけにりゅう座は北天にあり、天の川の近くですから、空は暗く小さな星が無数に見えましたので、無数の星々をバックに浮かんで見えた彗星は素晴らしいものでした。

●5月6日

丘のうえの小さな写真館の庭の手入れをしました。庭にあるスモモの小径は5月という季節の中で、日増しに輝きを増してくる。スモモの花が終わると、ベニスモモが咲き、続いてプルーン(西洋スモモ)の花が満開だ。サクランボやナシの花もちょうど今頃、満開。アンズの花は終わり、花の付け根付近はぷっくり膨らんで、実ができ始めている。また、ようやく針葉樹たちはこの頃になって新しい芽を吹き出し始めている。いつもちっともかわりばえのしない針葉樹がほんのかすかに大きく変化する季節がやってきたのです。

●5月7&8日

庭の畑に種をまきました。今年は2種類のじゃがいもをメインに小松菜、二十日ダイコン、こかぶ、ほうれんそう、にんじんの種をまきました。また、柵の回りの花壇にはコスモスやホウセンカ、花菱草などの花の種をまきました。

●5月9日

例年より、一週間以上も早く丘のうえの小さな写真館の庭にある2本の八重桜が満開になりました。今年もいっぱい咲きました。

●5月9日

ブヨがいっぱい飛んでいます。去年からハッカ油を肌にかけています。ハッカのす〜っとした効果のあるうちは寄ってこないくせに、それがうすれたら、たちまち寄ってきます。ブヨはふっと気を抜いた一瞬を狙っています。友人から電話があり、軍手をぬいで、受話器をとった瞬間にかまれました。チクッとしたらもう遅い。地獄の1週間が始まります。

●5月9日夜

ほんの数時間ですが、近くの日暮山まで星を見に行ってきました。撮影はしないので気楽なものです。今晩は16cm反射望遠鏡で見てみました。ヘルクレスの球状星団M13、やへびつかい座の球状星団を数個見てみました。16cm反射で見るM13は10cmに比べ、余裕で無数の星に分解します。キラキラ明滅を繰り返している様子が美しいです。夜3時北海道の初夏の早い夜明けです。ひとつ、またひとつ星が消えて行きます。

●5月19日

丘のうえの小さな写真館の前をリラの小径にしたくて、ひとまず、リラの苗木3本を隣街、大野町の牧野さんから購入。牧野さんとこの苗木はすばらしいものが多いのです。

●5月31日

二人乗りのゴムボートを中古で購入。プランクトン採集や釣りに使うため。

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●6月1日

マミヤ120mmF4マクロというレンズを購入。今までマクロは80mm一本でやって来ていたが、どうしても、長めのマクロレンズが欲しかった。また、120mmという焦点距離にも引かれた。大きな声では話せないが、星座を写すにも程よい焦点距離のレンズだと思ったからだ。まあ、開きなおれば、星空を接写するのだと思えばいい。

●6月3日

岡山の医院の院長先生から依頼されていた、患者さんへの暑中お見舞いのハガキができて来た。数年前から、患者さんへの暑中お見舞いに、丘のうえの小さな写真館のハガキを使って下さっている。ぼくは「風景を見に行きたくても行けない人の代わりに世界中の風景を撮って来よう」と心に誓って写真を始めたから、この注文はぼくの理想どうりのもので、僕にでも役立てることがあるかと思うと嬉しくてならない。ある、死を目前にした看者さんが北海道の夏の風景のハガキを受け取って「早く元気になって、北海道に行きたい!」と、おっしゃられたそうです。彼女はもう元気になることも、北海道にも行けないのですが、ほんのかすかでも、彼女の生きるための力になれた、と思うと嬉しくてなりません。そういう人のために、もっともっといい仕事をしよう!と心に誓いました。

●6月4日

今度は隣街、大野町の町長さんからポストカードの注文をもらいます。大野町の町長さんは丘のうえの小さな写真館のポストカードを使って大野町の自然の美しさを街の人に贈ってくれます。なんて嬉しいことなんでしょう!!ああ、季節や自然が多くの人の生きる支えになってほしい!ぼくはそんな写真が撮りたい。

●6月9日

写真館通信9号完成。

●6月16日

大歳昌彦氏が丘のうえの小さな写真館を訪問。いつもは静かな丘のうえの小さな写真館だが、大歳台風1号は激しくも豊かな南風と暖かい湿りを届けてくれた。

●6月18日

高橋製作所FC-10090S赤道儀が来る。この望遠鏡と赤道儀の組み合わせは、ぼくの望遠鏡の理想通りのものだった。ぼくは星も好きだけれど、望遠鏡も好きで、科学離れの進んでいるという子供達に望遠鏡の格好良さを伝えたいと思うことがしばしばある。

●6月24日

隣街大野町にある八郎沼にミジンコを採集に行った。

●6月30日

噴火湾にボートを出して、釣りをした。本州の人ならうらやむだろう大きなアブラコ(アイナメ、アブラメ)が14尾も釣れた。最大のものは40cm、850gのアブラコだった。その後、近くの漁港にチカを釣りに行った。楽しい一日だった。

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●7月1日

噴火湾にチカ釣りに行った。300匹も釣れた。しかしいつ見てもチカは真珠のような魚である。

それ以降、カレンダーの制作で来る日も来る日も制作の海の中に沈み込む。そんな中、

●2002年9月13日

慶ちゃんと会って、10周年。

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●10月1日

2003年カレンダー『北国の小さな物語』完成!

●10月6〜16日

道北に星の撮影。しかし、人付き合いのために風邪を悪化させ、せっかくの撮影地に着いた途端、高熱のためダウン。高熱でうなされながらも星空が気になって夜に何度か起きてみた。その時見た、薄雲越の星空のことが今でも忘れられない。すばらしい星空よりも、こんな時のことを良く覚えているのは不思議なくらいである。
星の撮影の結果は無念にも出せなかったが、道中で出会った一匹のユキウサギのことは今でも忘れられない。もし背後から車が来なかったら僕と彼女の対話はずっと続いていただろう。この時のお互いの間合いは今でも忘れられず、レンズの焦点距離の間合いと、光の充満した美しさが、僕の心に美しい刻印を押した。あまりに、この時の印象が強かったので、この時のユキウサギはポストカードになってもらった。

●10月31日

憧れであった、ニコン10×70SP双眼鏡を無理矢理買う。これは僕の星を教えてくれた先輩が持っておられた双眼鏡であったために、何が何でも一度は手にしたかった、憧れのニコン最高峰の双眼鏡だった。ただ、あまりの大型なのと、IF式であることで後日とうとう手放すことになる。

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●11月4日〜12日

 晩秋のカラマツの撮影に道東に向かう。札幌でハッセルの2000FCなどを見てから、一路、日勝峠を越え、南富良野の丘陵で星の撮影をするが、曇ってきたので、日高山脈の東部、十勝平野に移動。そこで眠る。
しかし、朝起きてみると、見事に黄金色に色づいたカラマツ林が続き、あまりの美しさに言葉を失う。奇しくもその日、僕は誕生日で、近来希にみるすばらしい誕生日を迎えられた。

●11月14日〜21日

札幌で第4回丘のうえの小さな写真館写真展開催。

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●12月5日

マミヤM645用にセコール45mmを新調し、オリンパスのマクロ20mmF2を購入。

●12月20日

 そして、ついに長き念願であったハッセルブラッド503CX一式を購入。
このハッセルブラッド購入はある人からの応援のおかげだった。もしこの人からの援助がなかったら、僕はハッセルブラッドへ機材を変更していく契機を失ったに違いない。
 マミヤM645を購入するとき、僕は父からの援助を受けて購入を決めた。そして、同じくハッセルブラッドの購入の時もある人からの援助のおかげである。
 こうして、僕は機あるごと、多くの援助者の力添えのおかげで有益な道を歩ませてもらったのである。