1998年カレンダー『北国の小さな物語』は丘のうえの小さな写真館のカレンダーの創刊号になります。
　1998年のカレンダーですから、1997年の制作です。1997年というと、３月にヘールボップ彗星が地球に接近していて、彗星と向き合う日々を送っていたことが印象的な年でした。
　
　カレンダーの10月に、このヘールボップ彗星を採用しています。季節は４月過ぎ、冬が終わって雪が解け、もうそこまで春が来ていたそんな頃でした。

　カレンダーの制作に入るのはその年の8月だったのですが、不慣れなため、その完成はなんと11月中旬になってしまします。
　なんと一冊のカレンダーを創るのに3ヶ月半の歳月をかけています。
　それから、カレンダー完成の案内を全国に向けて初めて送ることになるのですが、想像をはるかに越えた反響で、12月中旬なんと1000册も増刷しています。

　ぼくはその反響のすごさを旅の空で聞くことになります。神戸、札幌、小樽にと目まぐるしく撮影を続けていた最中だったのです。
　この嬉しい悲鳴は旅の途上ぼくをどれほど勇気づけてくれたかわかりません。

こうして、丘のうえの小さな写真館を支えてくれている全国のやさしい方々のお心づかいを受けてカレンダー『北国の小さな物語』の創刊は大成功をおさめたのでした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　写真家　山下正樹