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丘のうえの小さな写真館の四季
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★ 暗室の製作 6月18日・全紙プリントの制作★
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6月17日新しくできた暗室で初めて全紙プリントを制作した。
その一番の目的はハッセルの6×6判とライカの35mm判フィルムから
全紙プリントにしたとき
鑑賞に耐えられるプリントが制作できるか?
という積年の思いを確認することである。
ただ、引伸機の関係で、
ライカから全紙プリントに引き伸ばすことができず
一番知りたいことが確認できず、
次なる機会を待たなければならないのは非常に残念だった。
しかし、ハッセル(6×6判)からの全紙プリントの制作においては
確論を得たと断言できる。
次に、この確論を
各作品で、説明していきたい。
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★課題1)6×6判で、岩の質感などが全紙にプリントにおいて美しく力強く出せるか?
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大分県 東椎屋の滝、夕刻遅く。
ハッセルブラッド 503CX ディスタゴンCF50mmf4FLE をF4開放
フィルム マコUP25をキューブXS現像液にて24℃現像v>
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まず一番初めに引き伸ばしたのは上の写真。
これはフィルム及び現像液のデータ通り最高の解像力を誇る
マコ社のUP25というフィルムをキューブXSという最高級の現像液で現像している。
また、これをハッセルの誇るディスタゴンCF50mmf4FLE で撮影している。
ちなみに、このディスタゴンCF50mmf4FLEは中判の広角レンズ史上最高のレンズと言える。
そして、撮影状況は
夕刻遅く、かなり薄暗いので、
撮影はF4開放で行っている。
その結果、全紙プリントでも
シャープネス&解像力&粒状性いずれにおいても
申し分のない結果を得ている。
特にマコ+キューブのせいで、シャープネス、すなわちリアル感は群を抜き
予想でしかないが、写真プリントとして理論的に考えられる「最高の力強さ」を表現できたと思う。
さらに、これ以上の品質を求めるとなると
4×5判あるいは8×10判を用いて階調を増やせるが、
厳しい撮影状況、しかも遠く離れた異郷の地で
こうした大型の機材を振り回すことは
僕の能力を超えており、
これ以上の品質は大型カメラを用いる人方にお譲りし、
自分はこの全紙における十分な品質を個人的な最高の到達点と考えてよいと断定した。
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★課題2)6×6判で、空を含む風景写真が品質高く撮れるか?
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『春の積丹連峰』ハッセルブラッド 503CX ゾナーCF150mmf8
フィルムT-max100 O56フィルター使用 印画紙はイルフォードのRC多階調ペーパー3.5号
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次なるプリントは
積丹半島の山々を海一つ離れた、ニセコの山々から遠望し、撮影したもの。
この日は、北海道の春とはとても思えないほどの透明度で
ニセコの山々(雷電山)からも積丹の山々が非常によく見えた。
こんな日はそう滅多にあるものではない。
撮影の状況としては
手前を樹木の枝がさえぎるので、車の上に上がり、車の揺れに息を止めながらの撮影である。
フィルムはコダックのT-max100を感度100で用い、撮影時のフィルターは橙色のO56を使用。
しかし、できたフィルムは想定よりも若干コントラストが低かった。
このため、3.5号フィルターを用いて、コントラストのアップを図っている。
こうしたコントラスト不足の原因は
使用フィルムの問題なのか、
現像時N+1現像をするべきだったとか
撮影時に露光が少し少なかったのではないか(ゾナーCF150mmのシャッターは少し速い傾向がある)?
とか、色々と推測するが
断定には達していない。
以上のことからも撮影-プリントの一連の写真の制作に置いて
自分の場合、まだまだ習作の域をでるものではなく
無用に無理をしても画の品質を追い求めることよりも
撮影の基本に確信を得ることが重要なことであり
そのために日々精進することが大事と思う。
すなわち、4×5判以上を用いて
品質向上を図る前に
撮影時の基本(適切な露光、適切なフィルターの種類、適切なフィルムの選択)を知り、守ることで
6×6判であっても、その撮影のしやすさ、フィルムの値段の安さ、フィルム現像の効率
というメリットを含んだ上で
4×5判以上の画質やその雰囲気に肉薄できうるものと確信する。
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★課題3)ライカ(35mm判)で全紙にプリントできるか?
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奈良県 高野町にて赤松の美しい谷を、杉林を背景に写す。
ライカR9 ズミルックスR50mmf1.4 旧(F8に絞る) フィルムはイルフォードパンF50を感度50で撮影。
引伸レンズはロダゴン80mm。
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一番関心の高かった、果たしてライカ(35mm判)で全紙プリントは得られるか?
というこの答えは、
今の引伸機に50mmレンズが装着できないために
その結果は、先送りすることになった。
しかし、上の写真プリントを実際に手にとり見てみると
ハッセルの、特にマコのUP25などを使った鮮鋭なプリントと比べると
ライカの第2世代のズミルックスR50mm特有の柔らかさは
これが同じ写真かと思わせるほど雰囲気が変わる。
ライカの場合には他の結果でも
中間調の分離などはハッセルのツアイスレンズ以上に優れており
しかも、独特の柔らかさはライカに共通したものである。
この柔らかい雰囲気は、別の試験でこのままその雰囲気を残しながら
伸びていくことが確かめられているので
恐らくは、全紙にプリントしても粒状性が目立つようになるだけで
上の結果とそんなに変わりはないだろうということが予想できる。
しかし、今のところ、僕には実証する手だてが無く、
指をくわえて引き伸ばせるようになるのを待つ他にない。
しかし、このライカ独特の柔らかさと線の出方と粒状性の整合は
全紙に置いて、自分が最も期待するものであるだけに
このお預けは苦しいところである。
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以上のことから、6×6判から全紙にプリントする場合
よく調整された引伸機があり、基本に忠実に撮影することができれば
自分が求める品質であるならば
4×5判以上のカメラを用いることなく
鑑賞に耐えられるプリントが得られると、断言してよいと思う。
またライカからの全紙プリントに置いては
ハッセルとは全く違った雰囲気を全紙に置いても維持しながら
鑑賞できるプリントになるか?を確認したいところであったが
それは次の機会に譲らなければならない。
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