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丘のうえの小さな写真館の四季
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★ 暗室の製作 6月19日・バライタ紙でのプリント★
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6月19日新しい暗室で初めてバライタ紙でプリントした。
引伸機の関係で、ライカ(35mm判)から全紙にプリントができないので
せめても、バライタ紙のプリントはライカで撮影したフィルムから引き伸ばすことにした。
昨夜のハッセルからの全紙への引伸では
ハッセルはその力強さから柔和な表現までの極めて広範な表現領域を
生意気なほどにそつなく安定してこなし、
まさに、ハッセルの写真システムが
その幅広い撮影システムと相まって、
ハッセルの写真制作における職人性を強く実感させられた。
しかし一方ライカは
安定したツアイスレンズ群を擁するハッセルに対し、
レンズ毎に異なる、いわば不安定な雰囲気と
35mm判というフィルムの小ささと
またライカの誇る「精度の高さ」等が相まって
独特なプリントになるだろうということが想定されていた。
今まで旧暗室時代には
こうしたライカの独自性を確論として知り得るところまで至れず
この度の暗室製作となったのだが、
今のところ、ライカ(35mm判)から「バライタ紙+全紙」という
一番気になるプリントの制作ができないという状態にある。
しかし、そのことは今後に譲り、
ともかく、今できることとして
ライカからキャビネ判ながらバライタ紙のプリントを制作してみた。
少ないながら、その感想をここでは記述してみたい。
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岩手県 遠野市にて、山神様の石碑を撮る。
ライカR9 エルマリートR135mm イルフォードパンF50を20℃14分、ノーマル現像。
このフィルムをイルフォード社の一般的なキャビネ判のバライタ紙にプリント。
バライタ紙の号数は2号、引伸レンズはニッコール63mm f8 露出は5秒。
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一応、この写真に関わるデータを記載すると上のようになる。
撮影した状況は、夕刻近く、斜光線のほんのり柔らかなときのこと。
僕はこうした撮影のディスタンスには好んで135mmという焦点距離を用いる。
これは自分の好みのディスタンスのため。
ただ、ライカの場合、エルマリートR135mmはかなり以前に製造中止され
この焦点距離はかなり冷遇されている。
さて、このエルマリートR135mmはアポクロマートの補正がないため
カラーに用いると、ライカの中ではシャープ感に欠け
かといって滑らかでもなく印刷結果などでギスギスする印象を受ける。
しかし、こうした白黒プリント、
少なくとも、キャビネ判レベルのバライタ紙では
まずまずの感じが出る。
無論、もっと大きく引き伸ばせば
どこかの倍率を超えれば、破綻し始めるときが来ることが予想されるが
それが、何倍じてんなのか、
今は確認できないのが残念でならない。
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一方、こちらの方は、岩手県三陸海岸を代表する、黒崎海岸の断崖。
この黒崎の風景はカラーではポストカードとして制作・販売中で
このカラーの方は、アポマクロエルマリートR100mmで撮影している。
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一方、こちらの白黒の方は、アポエルマリートR180mmf2.8という
ライカの誇るアポの望遠で撮影している。
細かいことをいうと、ライカの180mmは
アポテリートR180mmf3.4という信じがたいほどの高解像力を誇る望遠を筆頭に
そのシャープネスはかなりのもので、
この最新のアポエルマリートR180mmf2.8も開放では多少滲むものの
絞っていけば、シャープネス・解像力共に向上していく。
こうした特性はこの白黒プリントにも生かされていて、
上記の135mmレンズのプリントに比べて
遠景でありながら、そのシャープ感には驚かされる。
しかし、かつてこの姉妹編のフィルムを半切までプリントしたことがあるが
こうしたハーフトーンの多いプリントでは
例えイルフォードパンF50をもってしてもかなり粒状性が目立つようになる。
しかし、この粒状感の増加により
シャープ感と共に、写真的な雰囲気が失われるかというと
僕はそんなことはないと思っている。
今回はそうしたことを確証したかったけれど、
残念なことに、そうしたことは
次なる機会を待たなければならない。
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上記の二つの例のように
ライカによるキャビネ判のバライタ紙のプリントは
例えありふれたイルフォードのバライタ紙であっても
その独特の雰囲気をもち
扱いやすいRCペーパーでは味わえない
銀塩白黒独自の雰囲気を感ずることが出きる。
しかし、バライタ紙には
もっと高級な感じがするものや
郷愁を感じずにはおれない印画の雰囲気を感じるものもあり
それらとライカ(35mm判)が合わさり、20倍近くにそれが安定して引き伸ばされたとき
それらはどんな雰囲気を見せてくれるだろうか。
一刻も早くそのことを確証したいのだが
それができないことにいらいらして仕方がない。
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