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丘のうえの小さな写真館の四季
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★ 暗室の製作 7月29日・水洗装置の制作(6切印画紙用)★
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本来7月というと、北海道では一年の中心となる月であり
撮影者としては、一年で一番多忙な時でなければならない。
しかし、今年は暗室の製作やその他のことで予定がずれ込み
7月返上で館内における様々な仕事に取り組まなければならなかった。
そのうちの一つとして
これから紹介する印画紙用水洗装置の制作があった。
バライタ紙はその紙の性質上、定着液が印画紙内に残りやすく
そのためRC印画紙(普通の印画紙)と比べ、かなり効率の良い長時間の水洗が必要となる。
この水洗がネックとなって、
今まで丘のうえの小さな写真館ではバライタ紙の白黒プリントの制作ができなかった。
しかし、この水洗装置で、市販された物を買うとなると
これは極めて高価で、とても予算的に買うことは許されなかった。
となれば、この壁を越えるには
制作の道しか残されていない…。
こうして、僕たちはついに重い腰を上げた。
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完成間近の水洗装置
絵の具を溶かした水で水流をチェックする。
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◆◆◆ 水洗装置の制作 ◆◆◆
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まず、水洗装置はアクリル板でできている。
従って、アクリルの加工技術が要求される。
僕らは今まで店舗用のポストカード棚の制作に何度もアクリル板を用いてきたが
その経験から、アクリル板の切断面をまっすぐ平面にできないことをよく知っていた。
従って、まずはアクリル板の切断のことで壁にぶつかっていた。
(うわさではレーザーで切るなどと聞かされていた)
しかし、ホームセンターに行き、
思い切って、一か八かアクリル板の切断をお願いしたら、
パネルソーなる大型の機械で切れるという。
それで、神様に祈る気持ちで
店の人にアクリル板の切断をお願いした。
するとどうだろう、
多少切断面にざらつきは残るものの
自分たちがカッターで切り、折りとるのとはわけが違って
その切断面はかなり平坦であった。
ああ、神様!
その時、僕の目の前に一筋の道が見えていた。
これならやれる!
そう、僕は確信した。
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◆◆◆ まずは6切印画紙用の水洗装置を!◆◆◆
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本当はいっきに全紙用の水洗装置をつくりたかったが
まずはその手始めとして6切印画紙用の小型の水洗装置を制作した。
もし失敗したら、その損失はとんでもなく大きなものになるから…
(アクリル板は驚くほど高価なもの)
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◆◆◆ 水洗装置の制作開始 ◆◆◆
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まずは、5mmのアクリル板を用い、
水圧に耐えられることを第一とした。
そして、あらかじめ設計し、
その寸法通りにホームセンターでパネルソーでカットしてもらった!!
それによると、ほとんど労力を伴わず
アッという間に切断完了!!
もしこれを人力でやったとしたら
その大変さと結果の悪さは想像を超える。
知らない人のために、少し前もって解説すると
印画紙を平皿に何枚も入れて、水洗しようとすると
印画紙はピッタリとひっついて
そのひっついたところは水洗されない。
この印画紙のひっつくことを解決し、最小量の水で印画紙を水洗しようとするのが
水洗装置の一番の目的。
そのために、厚さ1.8cm程度の隙間を多数造り、
その隙間に縦に印画紙を入れていくことで、印画紙がひっつくことを防ぐ。
そしてその隙間には
小さな穴から水が入るようにして
ゆるやかな水の流れをつくりだして、効率の良い水洗を目指す。
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まずは、水洗装置の概略を示します。
上の写真にある水槽内には1.8cmごとにしきられ、15の隙間があります。
この隙間に印画紙を入れて水洗するので
しきりのために、隣の印画紙とひっつかないのです。
すなわち、一度に15枚の印画紙を水洗できることを目指しました。
ちなみに、下側のホースが入水で上側が排水です。
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まずはアクリル壁面に、
隙間板をはめるためのミゾをつくっていきます。
そのために、5mmのアクリル板を1.8cmの幅で30個切っていきます。
これは実はカッターで自分たちの手で切りました。
ここは別に精度の高い切断面である必要がないからです。
そしてそれをアクリサンデーというアクリル専用の接着剤でひっつけていきます。
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アクリル板をカットするためのカッターと、専用接着剤。
この接着剤を写真右の細い針の付いた小さな容器に移して
これを接着したいところに添えると
毛細管現象や重力によって面白いように入っていきます。
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